ススキノ切断遺体・田村瑠奈 （29）

　札幌市・ススキノ地区のホテルで頭部がない男性の遺体が見つかった事件で、札幌・中央署捜査本部は、2023年７月24日、職業不詳 田村瑠奈 （29）と父親で精神科医の 修 （59）を死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで逮捕し、翌25日、その自宅 （札幌市厚別区厚別南2丁目5-24） から被害者の頭部を発見した。　同じ容疑で母親のパート従業員 浩子 （60）も逮捕した。　頭部が持ち込まれていたことを知っていた疑いがある。

　瑠奈と修は共謀し、７月１日深夜から２日未明にかけて、札幌市・ススキノ地区にあるホテル「ラブホテル・レッツ」の２階客室の浴室で、刃物のような凶器で恵庭市の62歳の会社員 浦仁志 の首を切断した上、頭部を持ち去るなどした。

　現場のホテル客室に男性と一緒に入ったのは、田村瑠奈で、父親の修は入っていないとみられている。　男性は司法解剖の結果、体に刃物で刺された致命傷があり、死因は出血性ショック、殺害された後に首を切断されていた。　遺体発見の前日、男性と同行する人物が２人で現場の客室に入った後、入室時とは違う服装の人物が１人でホテルを出て、大きなスーツケースを引きながら歩く姿などが防犯カメラで確認された。　その後、捜査本部は、防犯カメラの映像、男性の交友関係などから２人を割り出し、24日午前、死体損壊などの疑いで逮捕した。

　田村瑠奈は逮捕当初から精神疾患だと言われていたが、田村瑠奈の供述によると、田村瑠奈のなかには複数の人格が存在していたことがわかった。　あまり人馴れしていない瑠奈は、知り合った被害者との間で、本人にとって屈辱的と感じる経験をした。　被害者の浦仁志は、女装が趣味の女好きで、ススキノの界隈では要注意人物として認識されていた。　浦仁志は、女装家界隈で有名な北海道伊達市の混浴温泉でワニ、つまり、混浴温泉で異性を待ち伏せ、静かに近寄り、異性の体を視姦していた。

　出会ったのは、5月下旬にススキノのダンスクラブで、相手が女の格好してたので、瑠奈は女だと思っていた。　それで２人でいいところあるから行こう、と言われてラブホテルに入って、入った途端に相手は男になった。　いきなり、瑠奈のスカートをめくり、下着を引き下げると、浦仁志は、まだ濡れていない膣にバックから挿入してきた。　初体験ではなかったが、激しいビストンで、喘ぎ声を漏らし、失禁してしまったのは屈辱的だった。　　田村瑠奈の犯行動機は、浦仁志からの不同意性交だと考えられていたが、レイプ時の潮を噴いている動画を撮影されていた。　全裸にされた後、Ｍ字開脚のポーズのまま、手足を縛られた。　無防備な状態で固定されているので、顔がはっきり見えて、乳輪がデカく黒ずんでいるのが良くわかる。　さらに、膣には、太いバイブが差し込まれ、その振動音と、よがり声も聞こえる。

　一度は示談に応じて事を収めたが、約束を破り、また瑠奈に連絡してきたのは、会わないと暴行動画をネットに流すだの、データが欲しいなら金品をよこせなどと脅され、追い込まれていた。　もし、会いたいだけの連絡だけなら、着拒すればいいので、殺す必要はない。　顔認証でスマホのロックを外してデータ消去するため、顔が必要だったのかも知れない。

　田村瑠奈が　キャバクラや、風俗店で働いていたという証言もある。　体験入店で働いていたキャバクラは長く続かず、その後は風俗店に勤務したという。　業態はナースをコンセプトにしたファッションヘルスで、彼女は人気のキャストだった。　顔も可愛くて、対応も良かったらしい。　昼の仕事と掛け持ちをしていたが、出勤は週に３〜４回と頻繁だった。　父親が医者で生活には困らないのに、出会い系アプリで初対面の男性とホテルで会うなどしていた時期もあった、と証言する知人もいる。

　札幌・中央署捜査本部は８月16日、田村瑠奈、田村修と母の浩子を、男性をナイフのような刃物で刺し、死亡させた疑で送検した。　殺人の疑いで再逮捕された瑠奈の自宅から血痕のようなものが付着したレインコートが押収されたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。　返り血対策のために着ていたとみている。

　捜査関係者によると、父で精神科医の修は事件前に札幌市内で、1人でレインコートを購入していた。　男性の死因は首元付近を複数回刺されたことによる出血性ショックで、肺近くに達する深い傷もあった。 　捜査本部は、客室に立ち入ったのは瑠奈だけで、両親は共謀したとみている。

　札幌地検は2024年3月6日、札幌市厚別区、無職、田村瑠奈（30）を殺人や死体損壊などの罪、父親の田村修（61）を殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪、母親の田村浩子（60）を死体損壊ほう助の罪でそれぞれ起訴した。