| 故兵以詐立、以利動、以分合爲變者也、 |
| 故に兵は詐を以て立ち、利を以て動き、分合を以て変を為す者なり。 |
| 軍隊は敵の裏をかくことが基本である。利益のある無しに従って行動し、分散したり集合したりしながら柔軟に陣形を変える。 |
| 故其疾如風、 其徐如林、 侵掠如火、 不動如山、 |
| 故に其の速きことは風の如く、其の徐なることは林の如く、侵略することは火の如く、動かざることは山の如く、 |
| その速きことは風のごとく、静かなることは林のごとく、侵略することは火のごとく、 動かざることは山のごとく、 |
| 難知如陰、 動如雷震、 |
| 知り難きことは陰の如く、動くことは雷の震うが如くにして、 |
| 知りがたいことは陰のごとく、動くことは雷が鳴るようなものだ。 |
| 掠郷分衆、廓地分利、懸權而動、 |
| 郷を掠むるには衆を分かち、地を廓むるには利を分かち、権を懸けて而して動く。 |
| 敵の領土から略奪する時にはわがほうの人員をてきぱきと分業させ、占領地を拡大する時には、中央の機能をそれぞれの拠点に分散させ、よくはかりにかけて計算してから動くのだ。 |
| 先知迂直之計者勝、此軍争之法也、 |
| 迂直の計を先知する者は勝つ。 此れ軍争の法なり。 |