9 行軍篇  4/9、避けるべき地形

凡地有絶澗、 天井、 天牢、 天羅、 天陷、 天隙、
凡そ地に絶澗・天井・天牢・天羅・天陥・天隙あらば、
およそ左右を絶壁に挟まれた谷間、四面が切り立っている自然の井戸、三面を囲まれた自然の牢獄、草木が生い茂って動けない自然の捕り網、自然の落とし穴、狭いほら穴状になった自然のスキマ、
必亟去之、勿近也、
必ず速やかにこれを去りて、近づくことなかれ。
こんな地形があれば、すみやかに立ち去って近づくな。
吾遠之敵近之、
吾れはこれに遠ざかり、敵にはこれに近づかしめよ。
自軍はそういう地形から遠ざかり、敵には近づけさせるのだ。
吾迎之敵背之、
吾れはこれを迎え、敵にはこれに背せしめよ。
自軍はそういう地形を正面に置き、敵は背後に置くようにしむけるのだ。