11 九地篇  3/9、先ずその愛する所を奪えば聴かん

敢問、敵衆整而將來、 待之若何、
敢えて問う、敵 衆整にして将に来たらんとす。 これを待つこと若何。
あえて聞こう。敵が秩序だった状態で、今まさに攻めこもうとしている。 これをどうやって迎え撃つか?
曰、先奪其所愛、則聽矣、
曰わく、先ず其の愛する所を奪わば、即ち聴かん。
まず敵が大切にしているものを奪うのだ。そうすれば、こっちの自由に操れる。
兵之情主
兵の情はを主とす。
軍隊を動かすには迅速が一番である。
乗人之不及、由不虞之道、攻其所不戒也、
人の及ばざるに乗じて不虞の道に由り、其の戒めざる所を攻むるなりと。
敵がまだ準備を整えていないところへ、思いもよらないやり方で攻め込み、敵が油断している地点を攻めるのである。