| 道常無爲、而無不爲。 |
| 道は常に無為にして、而も為さざるは無し。 |
| 「道」は自分からとくに何かをする訳では無いが、「道」によって成し遂げられない事は無い。 |
| 侯王若能守之、萬物將自化。 |
| 侯王若し能くこれを守らば、万物は将に自ら化せんとす。 |
| 人の上に立つ君主がこの事を弁えていれば、全てのものが自分から成長しようとするだろう。 |
| 化而欲作、吾將鎭之以無名之樸。 |
| 化して作らんと欲すれば、われ将にこれを鎮むるに無名の樸を以ってせんとす。 |
| 成長する過程で自分だけ飛びぬけようとするものがあれば、私は名も無い切り出したばかりの丸太の様な素朴さをもってその心を鎮めよう。 |
| 無名之樸、夫亦將無欲。 |
| 無名の樸は、それまた将に無欲ならんとす。 |
| 丸太の様な素朴な心であれば、無駄な欲望を持つ事も無い。 |
| 不欲以靜、天下將自定。 |
| 欲あらずして以って静かなれば、天下将に自ら定まらんとす。 |
| 皆が無駄な欲望を捨て去り、心が静かであれば、世の中は自然と安定するだろう。 |