(1811) 【使用者責任】

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誤り。
(1811A) 《自らの不法行為》
　従業員Ｂの不法行為が事業者Ａの事業の執行につき行われたものであり，Ａに使用者としての損害賠償責任が発生する場合，従業員Ｂにも被害者に対する不法行為に基づく損害賠償責任が発生［する］（民法709条）。

誤り。
(1811B) 《事業の執行中》
　従業員Ｂが営業時間中に事業者Ａ所有の自動車を運転して取引先に行く途中に前方不注意で人身事故を発生［させれば］，Ａに無断で自動車を運転していた場合でも，Ａに使用者としての損害賠償責任が発生［する］（最判昭39.2.4）。

正しい。
(1811C) 《相殺》
　従業員Ｂの不法行為が事業者Ａの事業の執行につき行われたものであり，Ａに使用者としての損害賠償責任が発生する場合，Ａが被害者に対して売買代金債権を有していれば，被害者は不法行為に基づく損害賠償債権で売買代金債務を相殺することができる（民法509条）（最判昭42.11.30）。

誤り。
(1811D) 《求償の範囲》
　従業員Ｂの不法行為が事業者Ａの事業の執行につき行われたものであり，Ａが使用者としての損害賠償責任を負担した場合，Ａ自身は不法行為を行っていない以上，Ａは［損害の公平な分担という見地から、信義則上相当と認められる限度で：×負担した損害額の２分の１を］Ｂに対して求償できる（民法715条3項）（最判昭51.7.8）。