供託物の還付請求ないし取戻請求，ならびに利息ないし利札の払渡手続に関する単純正誤問題である。

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(1410A) 《利息の払渡請求》
※←　本来、保証金の利息は、いつでも払渡しができる性質のものであるが、無条件に払渡しを認めると、手続が煩雑となるから。
　保証として金銭を供託した場合には，毎年，供託した月に応当する月の末日後に，同日までの利息を払い渡すことができる（供託規則34条2項）。

(1410B) 《債務額の超過部分》
※←　債務額を上回る弁済の提供をしても，特段の事情の存しない限り，当該提供は債務の本旨に従ってなされたものと認めるのが相当であるから（福岡高判昭49.1.29），
　供託が客観的にみて当該債務に対してなされたものと，債務の同一性が識別できる場合には，有効に解される（大判昭2.3.22）。よって，超過部分について，取り戻すことも可能である（昭36.4.8民甲816号認可）。

(1410C) 《預貯金への振込み》
※←　また、供託受入手続においても、供託官が開設した預金口座に直接振り込む方法により供託をすることができるようになった（規20条の2第1項）。
　供託金の払渡しは，小切手を振り出して請求者に直接交付する方法と，請求者が供託所の保管金取扱店である日本銀行所在地以外の日本銀行その他供託官の定める銀行において供託金の払渡しを受けようとするとき，又は日本銀行が指定した銀行その他の金融機関の当該請求者の預金若しくは貯金に振り込む方法により供託金の払渡しを受けようと希望して，その旨を払渡請求書に記載したときには，隔地払い又は預貯金振込みの方法により，供託金の支払いが行われる(供託規則22条2項5号，28条2項)。

(1410D) 《利札のみの払渡し》
※←　供託の目的物は有価証券そのものであって，供託の効力は供託物の果実である利札には及ばないから（昭37.6.7民甲1483号回答）。
　有価証券の利札の払渡しは，当該利札の償還期の到来すれば，払渡請求をすることができる。請求は供託有価証券利札請求書（供託規則第31号書式）２通を供託所に提出しなければならない（供託規則36条1項）。　

(1410E) 《供託通知書の発送不能》
※←　なお、平成17年の改正により、催告払の制度は廃止された。
（旧）還付請求をする場合には原則として，供託物の払渡請求書に供託書正本または供託通知書を添付することを要するが，供託の通知をすべき供託について供託通知書の発送ができなかった場合には，供託通知書は存在しないので，その添付は不可能であり，しかも供託者から供託書正本の交付を受けてこれを添付させるのは被供託者に負担を課すことになるので，供託書正本または供託通知書の添付を要しない（供託規則24条1号但書）。ただし，供託通知書を発送しても被供託者に到達しなかった場合とか，被供託者が供託通知書を紛失したような場合には，催告払いの手続によることになる。