刑法

◎

　次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合，正しいものの組合せは，後記１から５までのうちどれか。

ア

　不真正不作為犯の作為義務は，法律上の規定に基づかなければならない。

イ

　不真正不作為犯が成立するために作為可能性を必要としない場合もある。

ウ

　不真正不作為犯の因果関係が認められるためには，期待された作為をしていれば結果が発生しなかったことが，合理的な疑いを超える程度に確実であったことが必要である。

エ

　不真正不作為犯は，殺人罪や放火罪については成立するが，財産犯については成立しない。

オ

　不作為による放火罪が成立するためには，既発の火力を利用する意思は必ずしも必要ではない。

　１　アウ　　　　２　アオ　　　３　イウ　　　　４　ウエ　　　　５○ウオ　

◎	次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合，正しいものの組合せは，後記１から５までのうちどれか。 (2701) 【不真正不作為犯】 **
ア	不真正不作為犯の作為義務は，法律上の規定に基づかなければならない。誤り。 (2701A) 《作為義務》　不真正不作為犯の作為義務は，法律上の規定に［基づく必要はない］。 (2701A) 《作為義務》 ※←　（刑法条）。 ※←　（最判昭平）。 ※←　（法条）。
イ	不真正不作為犯が成立するために作為可能性を必要としない場合もある。誤り。 (2701B) 《作為可能性》　不真正不作為犯が成立するために作為可能性を必要としない場合は［ない］。 (2701B) 《作為可能性》 ※←　（刑法条）。 ※←　（最判昭平）。 ※←（法条）。
ウ	不真正不作為犯の因果関係が認められるためには，期待された作為をしていれば結果が発生しなかったことが，合理的な疑いを超える程度に確実であったことが必要である。正しい。 (2701C) 《因果関係》　不真正不作為犯の因果関係が認められるためには，期待された作為をしていれば結果が発生しなかったことが，合理的な疑いを超える程度に確実であったことが必要である。 (2701C) 《因果関係》 ※←　（刑法条）。 ※←　（最判昭平）。 ※←　（法条）。
エ	不真正不作為犯は，殺人罪や放火罪については成立するが，財産犯については成立しない。誤り。 (2701D) 《詐欺罪》　不真正不作為犯は，殺人罪や放火罪については成立するが，財産犯については［成立する］。 (2701D) 《詐欺罪》 ※←　（刑法条）。 ※←　（最判昭平）。 ※←　（法条）。
オ	不作為による放火罪が成立するためには，既発の火力を利用する意思は必ずしも必要ではない。正しい。 (2701E) 《放火罪》　不作為による放火罪が成立するためには，既発の火力を利用する意思は必ずしも必要ではない。 (2701E) 《放火罪》 ※←　（刑法条）。 ※←　（最判昭平）。 ※←　（法条）。
	１　アウ　　　　２　アオ　　　３　イウ　　　　４　ウエ　　　　５○ウオ