賃貸人Ａから賃借人Ｂが借りたＡ所有の甲土地の上に，Ｂが乙建物を所有する場合

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(2607A) 《無断転貸》
※←　（法条）。土地の転貸には当たらないから（大判昭8.12.11）
借地権者（Ｂ）が借地上の建物を第三者（Ｃ）に賃貸し、建物の敷地として借地を使用させたとしても、土地の転貸借には当たらない（民法612条1項。大判昭8.12.11）。この場合、Ｂは、依然として建物所有のため自ら土地を使用しているからである。したがって、土地所有者（Ａ）の承諾を受けなかったとしても、借地の無断転貸借とはならない。

(2607B) 《妨害排除請求》
※←　（法条）。（最判昭29.9.24）（最判昭30.4.5）
借地権者（Ｂ）は、借地権を保全するため、借地の不法占拠者（Ｃ）に対して、土地所有者（Ａ）の妨害排除請求権を代位行使することができる。（民法423条１項。大判昭04.12.16）。
「第三者に対抗できる賃借権を有する者は、その土地に建物を有する第三者に対し、右建物の収去、土地の明渡を請求することができる」とするのが判例である（最判昭30.4.5）。

(2607C) 《債務不履行で解除》
※←　（法条）。（最判昭36.12.21）賃貸人Ａと賃借人Ｂとの間の賃貸借契約が、Ｂの債務不履行により解除された場合、ＢＣ間の転貸借契約における転貸主Ｂの債務も履行不能となり、転貸借契約は当然に終了する（最判平9.2.25）。
この場合、Ａは、賃貸借契約の解除について、Ｂにのみ催告すれば十分であり、Ｃに対して延滞賃料支払の機会を与える義務はない（民法541条、612条、613条。最判昭37.3.29）。

(2607D) 《支払時期》
※←　賃料は，動産，建物及び宅地については毎月末に，その他の土地については毎年末に，支払わなければならない。ただし，収穫の季節があるものについては，その季節の後に遅滞なく支払わなければならない（法614条）。
動産・建物・宅地に関する賃料は、毎月末に、当月分を後払いするのが原則である（民法614条）。