(1826) 【詐欺罪】

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誤り。
(1826A) 《相当の対価》
　Ａは，Ｂに対し，単なる栄養剤をがんの特効薬であると欺いて販売し，代金の交付を受けた。この場合，真実を知っていればＢがＡに代金を交付しなかったとすれば，Ａの提供した商品が，Ｂが交付した代金額相当のものであっても，【詐欺罪】が［成立する］（大判昭7.5.23）（最決昭34.9.28）。

誤り。
(1826B) 《旅券の交付》
　Ａは，旅券発給の事務に従事する公務員Ｂに対し，内容虚偽の申立てをしてＢを欺き，自己名義の旅券の交付を受けた。この場合，真実を知っていればＢがＡに旅券を発給しなかったとしても，［【公正証書原本不実記載罪】だけが成立し、《詐欺罪》は成立しない］（最判昭27.12.25）。

誤り。
(1826C) 《預金通帳》
　Ａは，銀行の係員Ｂに対し，自分がＣであるかのように装って預金口座の開設を申し込み，Ｃ名義の預金通帳１冊の交付を受けた。この場合，真実を知っていればＢがＡに預金通帳を交付しなかったとすれば，【詐欺罪】が［成立する］（最判平14.10.21）。

正しい。
(1826D) 《保険証書》
　Ａは，簡易生命保険契約の事務に従事する係員Ｂに対し，被保険者が傷病により療養中であることを秘し，健康であると欺いて契約を申し込み，簡易生命保険契約を締結させて，その保険証書の交付を受けた。この場合，真実を知っていればＢがＡに保険証書を交付しなかったとすれば，【詐欺罪】が成立する（最決平12.3.27）。

正しい。
(1826E) 《不法原因給付》
　Ａは，Ｂに対し，覚せい剤を買ってきてやると欺いて，その代金として金銭の交付を受けた。この場合，真実を知っていればＢがＡに金銭を交付しなかったとすれば，【詐欺罪】が成立する（最判昭25.7.4）。