**

**

**

(2909A) 《》
※←　（法条）。刑法19条１項による。没収の対象物は，�@組成物件，�A供用物件，�B産出物件，�C対価物件である。このうち，�@組成物件とは，犯罪行為を組成した物をいうところ，従物は主物から組成した物ということができるため，組成物件にあたる（大判明44・4・18）。よって，本肢は正しい。なお，組成物件の例としては，通貨偽造罪における機械と原料などがある。

(2909B) 《》
※←（法条）。わが国の刑法は，没収を不可刑としており，主刑が言い渡される場合にそれに付加して言い渡されることになっている。すなわち，没収は裁判官の裁量により行われるものであり，任意的没収である（19条）。もっとも，特定の犯罪，すなわち，覚せい剤取締法違反等については，例外的に必ず没収がされなければならない必要的没収となっている。よって，裁判所により押収されている必要はないとすべきであるところ，押収されている必要があるとしている点で本肢は誤りがある。

(2909C) 《》
※←　（法条）。刑法19条によれば，没収の要件は，�@対象物件が現に存在していること，�Aその物が犯人以外の者に帰属していないこと，である。したがって，公訴がすでに提起されているかどうかは関係ない（大判大11・5・19刑集１巻326頁）。よって，公訴提起されていなくとも没収できるとすべきところ，没収できないとしている点で本肢は誤りがある。

(2909D) 《》
※←　（法条）。没収の要件は�@対象物件が現に存在していること，�Aその物が犯人以外の者に帰属していないこと，である。したがって，没収すべき対象物件が犯人以外の者に属している場合は，�Aの要件を充たさず没収できないことになる（最判昭24・5・28刑集３巻６号878頁）。よって，取得物件であっても没収できない場合があるといえ，本肢は正しい。

(2909E) 《》
※←　（法条）。追徴とは，没収すべき物が没収不能となった場合に　それに代わるべき一定の金額を国庫に納付することを命ずる処分をいう。この場合追徴の価格算定基準は，その行為当時の時点，すなわち物の授受・取得当時となる（大判昭43・9・25刑集22巻９号871頁）。よって，賄賂の授受・取得当時の価格を追徴することになるとすべきところ，没収不能時としている点て本肢は誤りである。