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(2912A) 《》
※←　（法条）。本肢は，サドルのみが盗品であることから，盗品の同一性が問題となる。本肢と同様の事例において，判例（最判昭24・10・20）は，『サドル』を取外しこれらを同人の持参した男子用自転車の車体に組替え取付けて男子用に変更せしめて…売却」した行為につき，盗品等有償譲受罪の成立を肯定している。その理由として，加工したとしても，自転車窃盗をされた被害者は，自転車のサドルであっても所有権を失う理由はないとしている。

(2912B) 《》
※←（法条）。盗品等保管罪(256条２項）における［保管］とは，委託を受け，盗品等の占有を得て管理することをいい，有償・無償を問わない。本肢において，甲はあっせん行為を行う前に一度乙から盗品である宝石の保管を委託され，実際にこれを保管していたのであるから，本罪が成立する。よって，盗品等保管罪と盗品等有償処分あっせん罪が成立するとすべきであるにもかかわらず，後者のみが成立するとしている点で本肢は誤りである。

(2912C) 《》
※←　（法条）。盜品等に関する罪は，�@･無償譲受け，�A運搬，�B保管，�@有償譲受け，及び�D有償処分のあっせんである。�@無償譲受けとは，無償で盜品等の交付を受け，取得することをいう。盗品等の占有が現実に移転すればよいため，刑事未成年者からの譲受けであっても成立する（:大判明44 ･ 12 ・ 18）。よって，甲には盗品等無償譲受け罪が成立するとすべきところを，成立しないとしている点で本肢は誤りである。

(2912D) 《》
※←　（法条）。盗品等関与罪の親族間の特例に関する問題である。刑法257条が適用されるためには，親族関係は，行為者と被害者との間ではなく，行為者と本犯との間にあることを要する。行為者は甲，本犯は乙であり，甲と乙は親族関係にはない（最決昭38・11・ 8刑集17巻11号2357頁）。よって，甲は盗品等保管罪の罪が免除されないとすべきところを，免除されるとしている点で本肢は誤りである。

(2912E) 《》
※←　（法条）。本肢は，肢エの発展問題である。各教科書，体系書においても，この肢に関する説明は手薄なため，正解を導くことは難しいが，そのほかの肢で部分点を狙うことは可能である（最決昭38・11・8刑集17巻11号2357頁）。本肢は，盗品を買った親族（乙）からさらに盗品を運搬する行為に関するものであるが，判例・多数説は親族間の特例の適用を認めない。よって，甲は盜品等運搬罪の刑が免除されないとすべきであるところ，免除されるとしている点で本肢は誤りである。