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(2910A) 《》
※←　（法条）。威力業務妨害罪における「威力」の解釈についての問題である。同罪における「威力」の意義は，人の意思を制圧するに足りる勢力を示すことである（最判昭28・1・30刑集７巻１号128頁）。「威力」は暴行・脅迫よりも広く，緩やかな概念であり，本肢のような騒音喧騒のほか，危険動物の解放，総会屋の怒号行為，動物の死体の置き去り行為など，広くわたる。よって，「暴行又は脅迫を用いることを娶せず，…同罪は成立する」とすべきであるところ，「暴行又は脅迫をすることを娶し，…同罪は成立する」としている点で本肢は誤りである。

(2910B) 《》
※←（法条）。偽計業務妨害罪における「偽計」とは，人を欺罔し　あるいは人の錯誤又は不知を利用することをいう（大阪高判昭29・11・12高刑７巻11号1670頁参照）。詐欺罪における欺罔行為より緩やかな概念であり，人の錯誤又は不知を利用することを処罰する規定であるため，直接人に向けられていなくとも，間接的に人に伝われば本罪は成立する。

(2910C) 《》
※←　（法条）。信用毀損罪における［信用］とは，人の経済的側面における評価をいい，社会的な信頼までは含まない（最判平15･3･11刑集57巻３号293頁）。　信用毀損罪は大の財産的側面の評価を保護する規定であり，社会的な信頼は名誉毀損罪で別途保護される。よって，経済的側面とは関係のない社会的な信頼を害した場合は同罪は成立しないとすべきところ，同罪は成立するとしている点で本肢は誤りである。

(2910D) 《》
※←　（法条）。業務妨害罪における「業務」の意義は，職業その他の社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務のことをいう（大判大10・10・24）。この意義は，論文対策として押さえているはずであるため，かならず正解しなければならない。あくまでも職業としての経済活動を典型として社会生活上の活動であることを要するため，よって，学業，趣味，娯楽目的での車の運転は「業務」に含まない。　同罪は成立しないとすべきであるところ，成立するとしている点で本肢は誤りである。

(2910E) 《》
※←　（法条）。信用毀損罪は，現実に信用毀損の結果が生じたことは不要であり危険犯である，とする（:大判大2・1・27刑録19輯85頁）のが多数説である。また，業務妨害罪も，現実に業務が妨害された結果までは不要とする危険犯である。業務妨害罪も危険犯であるとすべきところ，侵害犯としている点で本肢は誤りである。