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(2806A) 《》
※←　（法条）。判例（最判昭24・ 7 ・22）は，同様の事案において，「外見上家人の承諾があったように見えても，真実においてはその承諾を欠く」として，住居権者の同意があっても真意に出たものでなければ，住居侵入罪が成立するとしている。

(2806B) 《》
※←（法条）。判例（大判大7・12・6）は，建造物侵入罪の保護法益を管理権と解し，「侵入」は管理権者（住居侵入罪の場合は住居権者）の意思に反する立ち入りと解している。よって，管理権者があらかじめ立入り拒否の意思を積極的に明示していなくとも，管理権者の意思に反する場合はあるため，建造物侵入罪が成立することはないとしている点で，設問の記述は誤りである。

(2806C) 《》
※←　（法条）。判例は住居侵入罪の「侵入」を住居権者の意思に反す　る立ち入りと解している。そして，立ち入りが住居権者の同意に基づ　くものある場合には，住居権者の意思に反するとは言えず，「侵入」には当たらない。そのため，構成要件に該当せず，住居権者が成立しないということになる。よって，設問の記述は，住居侵入罪の構成要件には該当するが，違法性が阻却されるとしている点で誤りである。

(2806D) 《》
※←　（法条）。判例（最決平19・7・2百選1118事件）は，同様の事案において，盗撮目的の立ち入りが［管理権者である銀行支店長の意思に反するものであることが明らかであるから，その立ぢ入りの外観が一般の現金自動預払利用客のそれと特に異なるものではなくても，建造物侵入罪が成立する」としている。よって，設問の記述で，建造物侵入罪が成立することはないとしている点で誤りである。

(2806E) 《》
※←　（法条）。判例（最決昭31・ 8 ・22）は，建造物侵入罪が成立する場合に　同罪は退去するまで継続する犯罪であるから，退去しなくても別に不退去罪は成立しないとしている。これを前提にすると，設問においては住居侵入罪が成立する以上，不退去罪は成立しない。よって，不退去罪が成立するとしている設問の記述は誤りである。