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(2808A) 《》
※←　（法条）。判例（鏝決昭32・ 5 ・22）は，「公然」とは，不特定又は多数人が認識できる状態をいうと解しており，わいせつ行為を現実に認識する必要はなく，認識する可能性があれば足りる。そのため，甲が自己の性器を露出させ，実際にそれに気づいたものがいなくとも，人通りの多い駅の構内で上記行為を行うことは，不特定又は多数人が認識できるといえ，公然わいせつ罪が成立する。

(2808B) 《》
※←（法条）。判例（最判昭52・12・22）は，「販売の目的」とは，日本国内において販売する目的をいうとしている。その理由として，判例は, 175条の規定は，我が国における健全な性風俗を保護するため，日本国内においてわいせつの文書，図画などが頒布，販売され，又は公然と陳列されることを禁じようとした趣旨に出たものであるということを挙げている。設問の事例においても，甲は日本国外で販売する目的を有しているに過ぎないため，「販売の目的」に欠け，わいせつ物有償頒布目的所持罪は成立しない。

(2808C) 《》
※←　（法条）。判例（大判昭11・ 1 ・31）は，わいせつ物頒布罪における「頒布」とは，不特定又は多数人に対して無償で交付・譲渡することをいうとしている。設問では，甲が特定人である乙に対して，わいせつな画像が録画されたDVD １枚をプレゼントしたに過ぎず，不特定又は多数人に対するものとはいえない。

(2808D) 《》
※←　（法条）。判例（最決昭31・3・6）は，不特定多数の人を勧誘した結果集まった数十名の客の面前でわいせつ行為をした事案について，当該わいせつ行為が「たとえ夜間一定の部屋を密閉してなされたとしても公然わいせつ罪の成立を妨げるものではない］としている。これを前提にすると，設問の事例においても同様に「公然」との要件が否定されず，わいせつ物陳列罪が成立する。

(2808E) 《》
※←　（法条）。るとしている。よって，設問の事例において，甲には，強制わいせつ罪が成立するのみならず，公然わいせつ罪も成立するとしている。