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(2809A) 《》
※←　（法条）。判例（最判昭24・ 8 ・18）は，「個人的法益の防衛行為ではなく，国民の安全利福の防衛に関する…公益ないし国家的法益の防衛が正当防衛として認められ得るか否かについては，…公共の福祉を最高の指導原理とする新憲法の理念から言っても，公共の福祉をも含めてすべての法益は防衛せらるべきであるとする刑法の理念から言っても，国家的，国民的，公共的法益についても正当防衛の許さるべき場合が存することを認むべきである」としており，国家的法益も正当防衛の対象となるとしている。

(2809B) 《》
※←（法条）。反撃行為の手段として正なる第三者の法益が侵害された場合には，行為者と第三者は正対正の関係にあり，緊急避難が成立する余地がある。設問の事例においても，反撃者の行為が緊急避難の要件を満たす場合には，違法性が阻却される。

(2809C) 《》
※←　（法条）。判例（最判昭46・11・16）は，「防衛行為は，防衛の意思をもってなされることが必要であるが，相手の加害行為に対し憤激または逆上して反撃を加えたからといって，ただちに防衛の意思を欠くものと解すべきではない」としている。そのため，逆上して相手方に反撃を加えた場合であっても，正当防衛が成立する余地はある。

(2809D) 《》
※←　（法条）。判例（大判昭8・9･27）は，［不正］を違法であることと解している。そして,過失は構成要件要素であるから,過失に基づく行為は違法性が推定される。そのため，過失に基づく侵害行為も不正な侵害に当たりうるため,他の要件が認められれば,正当防衛が成立する。

(2809E) 《》
※←　（法条）。判例は「不正」とは違法をいうと解している。そして，正当防衛が成立する行為は違法性が阻却されるため，「不正」との要件を満たさない。よって，正当防衛が成立する行為に対しては，正当防衛が成立する余地はない。