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(2814A) 《一定の制限》
※←　（憲法条）。在外邦人選挙権最高裁判決（最大判平17・9・14）は，冒頭の選挙権の性質について述べた部分で，「国民の国政への参加の機会を保証する基本的権利として，議会制民主主義の根幹を成すものであり，民主国家においては，一定の年齢に達した国民の全てに平等に与えられるべきものである」としている。
　　また本判決は，選挙権の性質を述べた後に，有名な判断枠組みの設定部分の前提として，「憲法の以上の趣旨にかんがみれば，自ら選挙の公正を害する行為をした者等の選挙権について一定の制限をすることは別として，国民の選挙権又はその行使を制限することは原則として許されず］と述べている。

(2814B) 《日本国内》
※←　（憲法条）。本判決は判断枠組みの設定後に，在外邦人に一切の選挙権行使を認めていなかった改正前公選法と，在外邦人に当分の間は両院の比例代表選挙に限って投票を認めることとした改正後公選法の２つについて違憲性を判断している。
　後者において，在外邦人に候補者個人の情報までも適正に伝達し，候補者氏名を自書させることは困難であり，衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議員の選挙について在外邦人に選挙権の行使を認めないことはやむを得ないのではないかが問題となった。この点について本判決は，「通信手段が地球規模で目覚ましい発達を遂げていることなどによれば，在外国民に候補者個人に関する情報を適正に伝達することが著しく困難であるとはいえなくなった］，既に行われていた参議院比例代表選出議員の選挙において「参議院名簿登載者の氏名を白書することが原則とされ…在外国民についてもこの制度に基づく選挙権の行使がなされている」と述べ，上記の困難性を否定して違憲判断を下した。
　よって，本肢の後半は誤りである。

(2814C) 《国家賠償請求》
※←　（憲法条）。本判決は,確かに国家賠償法上の違法性について２元説を採り，「仮に当該立法の内容又は立法不作為が憲法の規定に違反するものであるとしても，そのゆえに国会議員の立法行為又は立法不作為が直ちに違法の評価を受けるものではない」と述べている。しかし，その後で例外的に国家賠償法上も違法となる場合について言及し，本件において国家賠償請求を認めている。