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(2720A) 《共同体意識》
※←　特別区と憲法上の地方公共団体（最判昭38.3.27）　本判例は，「地方公共団体といい得るためには，単に法律で地方公共団体として取り扱われているということだけでは足らず，事実上住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み，共同体意識をもっているという社会的基盤が存在し，…相当程度の自主立法権，自主行政権，自主財政権等地方自治の基本的機能を附与された地域団体であることを必要とする（最判昭38.3.27）」としている。したがって本記述前段は正しいが，共同体意識をもっている社会的基盤は必要であるため，後段において誤っている。

(2720B) 《罰則の委任》
※←　条例における罰則（最判昭37.5.30）　本判例は「憲法31条はかならずしも刑罰がすべて法律そのもので定められなければならないとするものではなく，法律の授権によってそれ以下の法令によって定めることもできると解すべきで，このことは憲法73条６号但書によっても明らかである（最判昭37.5.30）」としており，本記述前段は正しい。さらに「ただ，法律の授権が不特定な一般的の白紙委任的なものであってはならないことは，いうまでもない」としている。このため本記述後段は誤っている。

(2720C) 《課税権》
※←　旭川市国民健康保険条例事件（最判平18.3.1）
　租税法律主義を定める憲法84条との関連で，条例による地方税の賦課徴収が許されるか否かも問題であるが，地方公共団体は自治権の一つとして課税権を有し，憲法84条の「法律」には条例も含まれる，と一般に解されている。本判例は「国又は地方公共団体が，課税権に基づき，その経費に充てるための資金を調達する目的を持つて，特別の給付に対する反対給付としてでなく，一定の要件に該当するすべての者に対して課税する金銭給付は，その形式のいかんにかかわらず，憲法84条に規定する租税にあたるというべきである（最判平18.3.1）。」としている。