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(2711A) 《成文憲法》
※←　近代立憲主義は，「専断的な権力を制限して広く国民の権利を保障するという思想に基づく憲法」(1789年フランス人権宣言）である。このため単なる［成文憲法に基づいて国家運営を行おうとする思想ないし実践］は,憲法という名前で呼ばれる成文の法典（憲法典）であれば内容は問わないため，近代立憲主義の説明として不適当てある。
　なお，近代立憲主義における憲法の形式と性質は，成文法であり，硬性であることが普通である。
　また，近代立憲主義は近代に至って，社会契約論と結び付いて確立されたものである。マグナカルタは人権の思想の萌芽であるものの，1215年の時点で確立されたということはできないため不適当である。

(2711B) 《人権保障》
※←　近代立憲主義憲法の内実は�@法の支配�A権力分立�B国民主権による。フランス人権宣言16条をみても、権利の保障が確保されず，権力の分立の定められていない社会は，すべて憲法をもつものではない。

(2711C) 《自由の保障》
※←　権力分立制の現れ方は多種多様であり，いかなる機関が違憲審査を行うかは様々である。それぞれの国の歴史的発展によって権力分立制の現われ方は大きく異なる。また，違憲立法審査権を裁判所に認めることは19世紀初頭にアメリカにおいて最初の確立をみたのであるが，この世紀はヨーロッパ諸国においては「議会の世紀」といわれるように議会が最高の権威を持ち国民の信頼を得ていた時代であり，裁判所による違憲審査の制度が成立する条件は存在しなかった。