債権の担保として，債務者または第三者から受け取った物を占有し，かつその物について，他の債権者に先立って，自己の債権の弁済を受ける権利（342条）

要物契約　→　債権証書の交付（363条）
対抗要件　→　指名債権：通知・承諾
　　　　　　　　　　 指図債権：裏書

(S6106A) 《直接取立て》
□←　質権者は，質権の目的である債権を直接に取り立てることができる（民法366条1項）。

(S6106B) 《民事執行》
□←　執行裁判所に質権の存在を証する文書を提出し、債権差押命令、転付命令、譲渡命令等を得て、優先弁済を受けることができる。
※←　第143条に規定する債権及び第167条第１項に規定する財産権（以下この項において「その他の財産権」という）を目的とする担保権の実行は，担保権の存在を証する文書（権利の移転について登記等を要するその他の財産権を目的とする担保権で一般の先取特権以外のものについては，第181条第１項第１号から第３号まで，第２項又は第３項に規定する文書）が提出されたときに限り，開始する。担保権を有する者が目的物の売却，賃貸，滅失若しくは損傷又は目的物に対する物権の設定若しくは土地収用法による収用その他の行政処分により債務者が受けるべき金銭その他の物に対して民法その他の法律の規定によってするその権利の行使についても，同様とする（民執法193条1項）。

(S6106C) 《弁済期前》
□←　債権の質入れは，債権の差押えと同様に（民法481条），従たる利息についても，その弁済は質権者に対抗できない。
※←　指名債権を質権の目的としたときは，第467条の規定に従い，第三債務者に質権の設定を通知し，又は第三債務者がこれを承諾しなければ，これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない（民法364条）。

(S6106D) 《質権の移行》
□←　債権の目的物が金銭でないときは，質権者は，弁済として受けた物について質権を有する（民法366条4項）。

(S6106E) 《相殺》
□←　通知・承諾後に質権設定者に弁済しても質権者に対抗できないので，通知・承諾後に取得した債権を自働債権として相殺しても対抗できない。