数個の給付中，選択によって定まる１個の給付を目的とする債権（406条）

(S6110A) 《遡及効》
□←　選択は，債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし，第三者の権利を害することはできない（民法411条）。
(S2716C) 《遡及効》
　【選択債権】についての選択は，債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる（民法411条本）。

(S6110B) 《不能と特定》
※←　債権の目的である給付の中に不能のものがある場合において，その不能が選択権を有する者の過失によるものであるときは，債権は，その残存するものについて存在する（民法410条）。　←　新法では，いずれの当事者の過失にもよらないで給付が不能となった場合の取扱いが変わった。
□←1 債権の目的である給付の中に，初めから不能であるもの又は後に至って不能となったものがあるときは，債権は，その残存するものについて存在する。
2 選択権を有しない当事者の過失によって給付が不能となったときは，前項の規定は，適用しない（旧民法410条2項）。　←　残部に特定しない。
(S2716B) 《不能》
　【選択債権】の目的である給付の中に，後に至って給付が不能となったものがある場合に，それが選択権を有しない当事者の過失によるものであるとき，【選択権】を有する者は，不能となった給付を選択することができる（民法410条）。

(S6110C) 《第三者の選択》
□←　前項に規定する場合において，第三者が選択をすることができず，又は選択をする意思を有しないときは，選択権は，債務者に移転する（民法409条2項）。
(S2716E) 《選択権の移転》
　第三者が【選択権】を有する場合に，第三者が選択をする意思を有しないとき，【選択権】は，［債務者：×債権者］に移転する（民法409条2項）。

(S6110D) 《意思表示の相手方》
□←　第三者が選択をすべき場合には，その選択は，債権者又は債務者に対する意思表示によってする（民法409条1項）。
(S2716D) 《第三者の選択権》
　第三者が【選択権】を有する場合，選択の意思表示は，債権者又は債務者のいずれか一方に対してすれば足りる（民法409条1項）。

(S6110E) 《撤回》
□←　前項〔選択〕の意思表示は，相手方の承諾を得なければ，撤回することができない（民法407条2項）。
(S2716A) 《撤回》
　【選択権】を有する債権者がした選択の意思表示は，債務者が債務の履行に着手する前でも，債務者の承諾を［得なければ］撤回することは［できない］（民法407条2項）。