民法

◎	親権に関する次の記述中，誤っているものはどれか。 (S6113) 【親　権】父母の子に対する監護養育者としての地位職務から流出する権利義務の総称《親権者》原則　⇒　実父母の共同親権（818条3項） → 共同の名義で　　　　　養子　→　養父母の共同親権（818条2項）例外：一方の死亡・禁治産・準禁治産　→　他の一方の単独親権　　　離婚　協議離婚　→　協議で定めた者 ←　家裁の審判で変更　　　　　　　　　　　　　　　　裁判所の定めた者　　　　　　　裁判離婚　→　裁判所で定めた者　　　出生前の離婚　　→　母　　←　出生後に父母の協議で変更可　　　非嫡出子　 →　母の単独親権
１	婚姻外で子をもうけた甲男と乙女が婚姻したが，甲男がその子を認知する前に乙女が死亡した場合には，乙女の死亡の時点で後見が開始し，その後甲男がその子を認知しても，甲男は，親権者とならない。誤り (S6113A) 《準正》　婚姻外で子をもうけた甲男と乙女が婚姻したが，甲男がその子を認知する前に乙女が死亡した場合には，乙女の死亡の時点で後見が開始し（民法838条1号），その後甲男がその子を認知［すれば，親子関係が生ずるので：×しても］，甲男は，親権者と［なり，後見は終了する：×ならない］（民法789条2項）。 (S6113A) 《準正》 □←　婚姻中父母が認知した子は，その認知の時から，嫡出子の身分を取得する（民法789条2項）。 ←　婚姻解消後に認知が行われても，準正が生じる。
２	夫が妻の非嫡出子と養子縁組をした場合には，その子は，夫婦の共同親権に服する。正しい (S6113B) 《共同親権》　夫が妻の非嫡出子と養子縁組をした場合には（民法795条），その子は，夫婦の【共同親権】に服する（民法818条2項）。 (S6113B) 《共同親権》 □←　子が養子であるときは，養親の親権に服する（民法818条第2項）。
３	父が禁治産者である場合には，禁治産宣告が取り消されない限り，母が単独で親権を行使する。正しい (S6113C) 《単独親権》　父が被後見人である場合には，後見開始の審判が取り消されない限り，母が単独で【親権】を行使する（民法818条3項但）。 (S6113C) 《単独親権》 □←　親権は，父母の婚姻中は，父母が共同して行う。ただし，父母の一方が親権を行うことができないときは，他の一方が行う（民法818条3項）。
４	父母が協議離婚する際に，「親権者は，子が小学校に入学するまでは母，その後は父とする」旨の親権者の指定をすることは許されない。正しい (S6113D) 《条件・期限》　父母が協議離婚をする際に，親権者は（条件・期限を付すことができないので），子が小学校に入学するまでは母，その後は父とする旨の親権者の指定をすることは許されない（民法819条1項）。 (S6113D) 《条件・期限》 □←　父母が協議上の離婚をするときは，その協議で，その一方を親権者と定めなければならない（民法819条1項）。
５	親権者の指定のない協議離婚届が誤って受理されたときは，親権者の指定がされるまでの間，子は，父母の共同親権に服する。正しい (S6113E) 《離婚と親権者の指定》　親権者の指定のない協議離婚届が誤って受理されたときは（民法765条2項），（離婚は有効となるので，その後），親権者の指定がされるまでの間，子は，父母の【共同親権】に服する（民法819条2項）。 (S6113E) 《離婚と親権者の指定》 □←　離婚の届出が前項の規定に違反して受理されたときであっても，離婚は，そのためにその効力を妨げられない（民法765条2項）。
	正　解　　　１