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(2912A) 《天皇の人権》
※←　（憲法条）。国民は基本的人権の享有主体であるところ（憲法第３章111条,12条），天皇も国民であるため，人権の享有主体となる。もっとも，天皇の人権は，天皇が日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である（１条）という特殊性から一定の制約を受ける。すなわち，天皇は国政に関する権能を有しない（４条１項）ため，特定の政党に加入することは認められない。また，その地位の特殊性から，国籍を離脱することも認められない。よって本肢前段は正しい。さらに学問の自由についても，その地位の特殊性から，一定の制約を受けるとされている。　よって，学問の自由につき一般国民と同等に保障されているとする点で本肢は誤りである。

(2912B) 《摂政》
※←　（憲法条）。「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であることにかんがみ，天皇には民事裁判権が及ばない（最判平1.11.20）。　しかし，同判例は摂政については何ら言及していない。

(2912C) 《皇位の継承》
※←　（憲法条）。憲法２条は，皇位が世襲であることを定めたにとどまり，その具体的なあり方については「国会の議決した皇室典範」に委ねている。皇位の継承順序については，皇室典範において定められているに過ぎず（皇室典範２条），皇室典範において，皇位の継承において皇長子の長子より皇次子を優先させることとしても，憲法には反しない。