憲法

◎	憲法改正に関する次のアからウまでの各記述について，正しいものには○，誤っているものには×を付した場合の組合せを，後記１から８までの中から選びなさい。 (2920) 【憲法改正】　* ** 　* ** 　*
ア	憲法改正には，国民投票において「その過半数の賛成」を必要とするとされているが，日本国憲法の改正手続に関する法律によって，「その過半数」とは，有権者総数の過半数を意味するとされている。誤り。 (2920A) 《過半数》　憲法改正には，国民投票において「その過半数の賛成」を必要とするとされているが（憲法96条1項），日本国憲法の改正手続に関する法律によって，「その過半数」とは，［有効投票総数：×有権者総数］の過半数を意味するとされている。 (2920A) 《過半数》 ※←　この憲法の改正は，各議院の総議員の３分の２以上の賛成で，国会が，これを発議し，国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には，特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において，その過半数の賛成を必要とする（憲法96条1項）。 ※←　2007年に制定された日本国憲法の改正手続に関する法律126条，98条２項により，憲法96条１項の「その過半数」の意味につき，有効投票総数の過半数をいうとされた。
イ	憲法第９６条第２項は，国民の承認を経た憲法改正について，「直ちにこれを公布する」と定めているが，ここで「直ちに」とされているのは，公布を恣意的に遅らせてはならないことを定めたものである。正しい。 (2920B) 《公布》　憲法96条2項は，国民の承認を経た憲法改正について，「直ちにこれを公布する」と定めているが（憲法96条2項），ここで「直ちに」とされているのは，公布を恣意的に遅らせてはならないことを定めたものである。 (2920B) 《公布》 ※←　憲法改正について前項の承認を経たときは，天皇は，国民の名で，この憲法と一体を成すものとして，直ちにこれを公布する（憲法96条2項）。 ※←　この「直ちに」とは，交付を恣意的に遅らせてはならないことを定めたものであると解されている。
ウ	憲法を始源的に創設する「憲法制定権力」と憲法によって与えられた「憲法改正権」とは同質であるとの見解は，憲法改正の限界について理論上限界はないとする立場の根拠となり得る。正しい。 (2920C) 《改正の限界》　憲法を始源的に創設する「憲法制定権力」と憲法によって与えられた「憲法改正権」とは同質であるとの見解は，憲法改正の限界について理論上限界はないとする立場の根拠となり得る。 (2920C) 《同質説》 ※←　同質説は，改正権を全能の制憲権と同視することにより，すべての規定が改正の対象となりうるとするものである。よって，この見解に立てば，憲法改正の限界について理論上限界はない。
	１　ア○ イ○ ウ○　　２　ア○ イ○ ウ×　　３　ア○ イ× ウ○　　４　ア○ イ× ウ×　　５○ア× イ○ ウ○　　６　ア× イ○ ウ×　　７　ア× イ× ウ○　　８　ア× イ× ウ×

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