*

　*

　*

(2917A) 《裁判官》
※←　（憲法条）。憲法77条は最高裁判所の規則制定権について定めている。「裁判所の内部規律…に関する事項」とは，裁判所内部の管理・監督に関する事項をいい，裁判官の分限・懲戒に関する事項など，裁判官を対象とする事項も含む。憲法76条３項は「すべて裁判官は…この憲法及び法律にのみ拘束される」と定めているところ，「法律」には形式的意味の法律のみならず，およそ一切の客観的法規範を含むから，最高裁判所の制定する規則も含む。憲法76条３項の趣旨は裁判官の職権の独立を図る点にあり，最高裁判所の規則制定権は裁判官の職権の独立を惻面から強化するものであるから，最高裁判所が裁判官を対象とする事項を規則で制定しても，76条３項には反しない。よって，最高裁判所が裁判官を対象とする事項を規則で制定することはできないとする点で本肢は誤りである。

(2917B) 《内部事項》
※←　（憲法76条3項）。最高裁判所の制定する規則は，「訴訟に関する手続」など，その対象となる事項が規則を制定した機関の内部事項に限られない（76条３項）。一方で，議院の制定する議院規則は，両議院が「各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め」るものであり（58条２項），院の内部事項についての規律である。

(2917C) 《非訟事件の手続》
※←　（憲法条）。憲法77条１項の「訴訟に関する手続」には、民事訴訟・刑事手続・行政訴訟手続の他，厳密な訴訟ではない非訟事件手続，家事審判・調停手続・民事調停手続，少年保護処分手続をも含むと解されている。