民法

◎

　氏に関する次のアからオまでの記述のうち，正しいものの組合せは，後記１から５までのうちどれか。

ア

　婚姻によって氏を改めた夫は，妻の死亡によって婚姻前の氏に復するが，その死亡の日から３か月以内に届け出ることによって，死別の際に称していた妻の氏を続称することができる。

イ

　夫婦が婚姻の際に夫の氏を称するものと定めた場合において，婚姻中に夫が第三者の養子となる縁組をしたときは，夫婦は，夫の養親の氏を称する。

ウ

　嫡出でない子が父の氏を称することはできない。

エ

　父が離婚によって婚姻前の氏に復した後，再婚によって更に氏を改めた場合には，子は，家庭裁判所の許可を得て，その父の氏を称することができる。

オ

　両親の離婚によって母が婚姻前の氏に復した場合において，子の親権者が母と定められたときは，その子は，母の氏を称する。

　１　アウ　　　　　　２　アオ　　　　　　３　イウ　　　　　　４○イエ　　　　　　５　エオ　　　

◎	氏に関する次のアからオまでの記述のうち，正しいものの組合せは，後記１から５までのうちどれか。 (S2320) 【氏】 **
ア	婚姻によって氏を改めた夫は，妻の死亡によって婚姻前の氏に復するが，その死亡の日から３か月以内に届け出ることによって，死別の際に称していた妻の氏を続称することができる。誤り。 (S2320A) 《死亡》　婚姻によって【氏】を改めた夫は，［離婚：×妻の死亡］によって婚姻前の氏に復するが，その［離婚］の日から３か月以内に届け出ることによって，［離婚：×死別］の際に称していた【妻の氏】を続称することができる（民法751条1項，767条2項）。 (S2320A) 《復氏》 ※←　夫婦の一方が死亡したときは，生存配偶者は，婚姻前の氏に復することができる（民法751条1項）。 ※←1 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は，協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。 2 前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は，離婚の日から３箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって，離婚の際に称していた氏を称することができる（民法767条2項）。
イ	夫婦が婚姻の際に夫の氏を称するものと定めた場合において，婚姻中に夫が第三者の養子となる縁組をしたときは，夫婦は，夫の養親の氏を称する。正しい。 (S2320B) 《養子の氏》　夫婦が婚姻の際に夫の【氏】を称するものと定めた場合に，婚姻中に夫が第三者の養子となる縁組をしたとき，夫婦は，夫の【養親の氏】を称する（民法810条）。 (S2320B) 《養子の氏》 ※←　養子は，養親の氏を称する。ただし，婚姻によって氏を改めた者については，婚姻の際に定めた氏を称すべき間は，この限りでない（民法810条）。
ウ	嫡出でない子が父の氏を称することはできない。誤り。 (S2320C) 《認知》　嫡出でない子が【父の氏】を称することが［できる場合がある］（民法791条1項）。 (S2320C) 《嫡出でない子》 ◎←　嫡出でない子は，母の氏を称する（民法790条2項）。 ※←　子が父又は母と氏を異にする場合には，子は，家庭裁判所の許可を得て，戸籍法の定めるところにより届け出ることによって，その父又は母の【氏】を称することができる（民法791条1項）。
エ	父が離婚によって婚姻前の氏に復した後，再婚によって更に氏を改めた場合には，子は，家庭裁判所の許可を得て，その父の氏を称することができる。正しい。 (S2320D) 《子の氏の変更》　父が離婚によって婚姻前の【氏】に復した後，再婚によって更に氏を改めた場合，子は，家庭裁判所の許可を得て，その【父の氏】を称することができる（民法791条1項）。 (S2320D) 《子の氏の変更》 ※←　子が父又は母と氏を異にする場合には，子は，家庭裁判所の許可を得て，戸籍法の定めるところにより届け出ることによって，その父又は母の氏を称することができる（民法791条1項）。
オ	両親の離婚によって母が婚姻前の氏に復した場合において，子の親権者が母と定められたときは，その子は，母の氏を称する。誤り。 (S2320E) 《母の氏》　両親の離婚によって母が婚姻前の【氏】に復した場合に，子の親権者が母と定められたとき，その子は，【母の氏】を称する［ことができる］（民法791条1項）。 (S2320E) 《母の氏》 ※←　子が，当然に母の氏を称するとする規定はない（民法791条1項）。
	１　アウ　　　　　　２　アオ　　　　　　３　イウ　　　　　　４○イエ　　　　　　５　エオ