(2102) 【憲法尊重擁護義務】

**

**

誤り。
(2102A) 《公務員》
　憲法99条は，「天皇又は摂政及び国務大臣，国会議員，裁判官その他の公務員」が国政の運営に当たり，憲法の運用に直接・間接に関与する立場にあることにかんがみ，特にその憲法尊重擁護義務を明記したものであるから，憲法99条の「公務員」には，地方公共団体の議員や公務員も［含まれる］。

正しい。
(2102B) 《国民》
　憲法99条は，その義務の主体として「国民」を明示しておらず，国民が本条の義務を負うか否かについては考え方が分かれるが，日本国憲法が公権力の制約を目的とする立憲主義的憲法であることを強調する立場からすると，国民は憲法99条の義務を負わないという考えに傾く。

誤り。
(2102C) 《弾劾事由》
　憲法99条の義務は，倫理的な性質のものであって，法律的というより道徳的な要請を規定したものであるとする立場から［しても］，裁判官が憲法の侵犯・破壊行為に参画したことをもって，その弾劾事由とすることは［許される］。

正しい。
(2102D) 《懲罰事由》
　国会議員が懲罰の対象となるのは，院内の秩序を乱した場合に限定されるから，国会議員が憲法99条の義務に違反したことをもって，その懲罰事由とすることは許されないが，政治的責任追及の理由とはなり得る。

正しい。
(2102E) 《国務大臣》
　国務大臣が日本国憲法の改正を主張することが憲法99条の義務に違反しないかについては考え方が分かれるが，公務員にも思想・表現の自由が保障されることを強調する立場からすると，国務大臣の改憲の主張は憲法99条の義務に違反しないという考えに傾く。