民法

◎

　準正に関する次の１から５までの記述のうち，正しいものはどれか。

１

　Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻したが，しばらくしてＢと離婚し，その後にＣを認知した。この場合，準正の効果は生じない。

２

　Ａは，未婚のＢが生んだＡの子Ｃを認知した後にＢと婚姻したが，その後，Ｂとの婚姻が取り消された。この場合，準正の効果は消滅する。

３

　Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻したが，Ｃを認知しないまま死亡した。その後に，ＣがＡの子であることを認知する旨の判決が確定した場合，Ｃは，Ａの相続について非嫡出子として扱われる。

４

　Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻し，その後にＣを認知したが，認知の際に準正に反対の意思を表示した。この場合，準正の効果は生じない。

５

　Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻し，Ｃが３歳で死亡した後にＣを認知した。この場合，準正の効果は生じない。

　正　解　　　５　　

◎	準正に関する次の１から５までの記述のうち，正しいものはどれか。 (S1822) 【準　正】 1 父が認知した子は，その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。 2 婚姻中父母が認知した子は，その認知の時から，嫡出子の身分を取得する。 3 前2項の規定は，子が既に死亡していた場合について準用する（民法789条）。
１	Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻したが，しばらくしてＢと離婚し，その後にＣを認知した。この場合，準正の効果は生じない。誤り。 (S1822A) 《離婚後の認知》　Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻したが，しばらくしてＢと離婚し，その後にＣを認知した場合でも，【準正】の効果は［生じる］（昭25.12.4民甲3089号回答）。 (S1822A) 《離婚後の認知》 ※　出生　→　婚姻　→　離婚　→　認知　の順でも，認知準正の効果が生ずる（昭25.12.4民甲3089号回答）。
２	Ａは，未婚のＢが生んだＡの子Ｃを認知した後にＢと婚姻したが，その後，Ｂとの婚姻が取り消された。この場合，準正の効果は消滅する。誤り。 (S1822B) 《将来効》　Ａは，未婚のＢが生んだＡの子Ｃを認知した後にＢと婚姻したが，その後，Ｂとの婚姻が取り消された場合でも，【準正】の効果は［消滅しない］（民法748条1項）。 (S1822B) 《将来効》 ※←　婚姻の取消しは，将来に向かってのみその効力を生ずるから（民法748条1項）。
３	Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻したが，Ｃを認知しないまま死亡した。その後に，ＣがＡの子であることを認知する旨の判決が確定した場合，Ｃは，Ａの相続について非嫡出子として扱われる。誤り。 (S1822C) 《死後認知》　Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻したが，Ｃを認知しないまま死亡した。その後に，ＣがＡの子であることを認知する旨の判決が確定した場合，Ｃは，Ａの相続について［嫡出子：×非嫡出子］として扱われる（民法783条）。 (S1822C) 《死後認知》 ※←　この場合でも、認知の効果は、父母の婚姻成立の時から生ずるから（昭42.3.8民甲373号回答）。 1 父は，胎内に在る子でも，認知することができる。この場合においては，母の承諾を得なければならない。 2 父又は母は，死亡した子でも，その直系卑属があるときに限り，認知することができる。この場合において，その直系卑属が成年者であるときは，その承諾を得なければならない（民法783条）。
４	Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻し，その後にＣを認知したが，認知の際に準正に反対の意思を表示した。この場合，準正の効果は生じない。誤り。 (S1822D) 《認知準正》　Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻し，その後にＣを認知したが，認知の際に準正に反対の意思を表示した。この場合，【準正】の効果が［生じないわけではない］（民法789条2項）。 (S1822D) 《認知準正》 ※←　認知の効果は、民法789条の要件を備えることにより、法律上当然に生ずるものであり（民法789条2項）、反対の意思表示をしてその効果の発生を妨げることはできないから。
５	Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻し，Ｃが３歳で死亡した後にＣを認知した。この場合，準正の効果は生じない。正しい。 (S1822E) 《死後認知》　Ａは，未婚のＢがＡの子Ｃを生んだ後にＢと婚姻し，Ｃが３歳で死亡した後にＣを認知した。この場合〔３歳のＣに直系卑属は存在しないので認知できず〕（民法783条2項），《準正》の効果は生じない。 (S1822E) 《死後認知》 ※←　父又は母は，死亡した子でも，その直系卑属があるときに限り，認知することができる。この場合において，その直系卑属が成年者であるときは，その承諾を得なければならない（民法783条2項）。
	正　解　　　５