債権の担保として，債務者または第三者から受け取った物を占有し，かつその物について，他の債権者に先立って，自己の債権の弁済を受ける権利（342条）

(1) 留置的効力（347条）
(2) 目的物の使用権・果実収取権・善管注意義務（350条）
(3) 優先弁済権　→　簡易な弁済充当（354条）
　　　 　　　　　　　　　流質契約の禁止（349条）

(S0110A) 《責任転質》
※←　350条が298条2項を準用している以上，設定者の承諾を得れば，もちろん承諾転質をすることができる。
←　質権者は，その権利の存続期間内において，自己の責任で，質物について，【転質】をすることができる。この場合において，転質をしたことによって生じた損失については，不可抗力によるものであっても，その責任を負う（民法348条）。

(S0110B) 《要物契約性》
※←　この場合、当事者間の合意のみでは足りない。
←　質権の設定は，債権者にその目的物を引き渡すことによって，その効力を生ずる（民法344条）。

(S0110C) 《条件・期限》
※←　附従性により，債権がなければ質権は成立しないが，必ずしも現実に発生した債権であることを要しない。

(S0110D) 《直接取立権》
※←　この場合、民事執行法に定める手続に従って目的債権を換価しなければならない、というわけではない。
←　質権者は，質権の目的である債権を直接に取り立てることができる（民法366条1項）。
（旧）　質権者は，質権の目的たる債権を直接に取立つることを得（旧民法367条1項）
　質権設定者は，設定行為又は債務の弁済期前の契約を以て質権者に弁済として質物の所有権を取得せしめ，其他法律に定めたる方法に依らすして質物を処分せしむることを約することを得ず（民法349条）

(S0110E) 《使用収益権の侵害》
※←　不動産質権には使用収益権があるので，弁済期到来前でも，使用収益できないことによる損害が発生する。