非説得的（逆の結論）。
(1411A) 《自発的入学》
　公立工業高等専門学校における教育は義務教育課程ではないから，当該学生は剣道実技の履修が求められている学校に自発的に入学したといえる［ので，剣道実技履修拒否への留置処分等は合法となる］のに対し，公立小学校における教育は義務教育課程であり学区割もあるから，当該児童は日曜参観授業がある学校に自発的に入学したとはいえない［から，日曜参加授業による欠席記載措置は違法となる］。

• (1411A) 《自発的入学》
  ※←　（憲法条）。（最判昭）。
  　自らの自由意思で信教の自由の制約を受ける法律関係に入ったので，その制約を甘受すべである。

非説得的（いずれも違法）。
(1411B) 《侵害を受けた主体》
　剣道実技は，自己が信奉する教義が格技を禁止していると理解している信者である当該学生に対して履修義務が課されたもので［あるとすれば，当該学生自身への不利益であり，当該学生の信教の自由と，本件各処分の裁量の範囲との問題となるが］，日曜参観授業は，教会学校を主宰する両親の子である当該児童に対して出席義務が課されたものであった［としても，子供自身にも信教の自由が保障されており，その子供が処分を受けている以上，児童の信教の自由の行使を事実上阻害するといえる］。

• (1411B) 《侵害を受けた主体》
  ※←　（憲法条）。（最判昭）。　←　信教の自由が侵害されたのは誰か（違いは生じない）。

説得的である。
(1411C) 《代替的方策》
　公立工業高等専門学校においては剣道実技の履修は必須のものとまではいい難く，体育科目による教育目的の達成は他の体育種目の履修などの代替的方策によって行うことが可能であるの［で，強制の必要性が低い］に対し，公立小学校における日曜参観授業は，平日は仕事に勤務している親が子の授業を参観し，その後に催される懇談会などで子の教育を教師とともに考える数少ない機会であって，勤労者世帯が多くを占める学区では日曜日以外にそのような機会を設けることが難しい［ので，合理的な理由がある］。

• (1411C) 《代替的方策》
  ※←　（憲法条）。（最判昭）。
  　前者は，代替措置が可能であるのに対し，後者は代替措置が困難。

非説得的（逆の結論）。
(1411D) 《政教分離》
　剣道実技の履修を拒否している当該学生に特例措置として剣道実技を履修させないことは，特定の宗教を援助する効果をもたらすことになるの［で，校長としては，かかる特別措置を設けることはできず，留置処分等は合法となる］に対し，信仰上の理由から日曜参観授業に出席しなかった当該児童について忌引きなどと同様に取り扱って欠席を承認することは，特定の宗教を援助する効果をもたらすものではない［ので，単に欠席とした措置は違法となる］。

• (1411D) 《政教分離》
  ※←　（憲法条）。（最判昭）。　←　特定の援助効果

説得的である。
(1411E) 《不利益の比較》
　剣道実技を履修しなかった当該学生に加えられたのは，原級留置処分及び退学処分であったの［で，校長の裁量権の範囲内にあるか否かは厳格に検討されることになり，結果として違法となりやすいの］に対し，日曜参観授業を欠席した当該児童に加えられたのは，指導要録に欠席と記載された事実上の措置であった［ので，校長の裁量権の範囲内にあるか否かは，より緩やかに検討されることになり，結果として適法となりやすい］。

• (1411E) 《不利益の比較》
  ※←　（憲法条）。（最判昭）。
  　原級留置処分及び退学処分の不利益は重大であるのに対し，欠席との記載のは，軽微な不利益。