民法

◎	虚偽表示の無効を対抗できない善意の「第三者」とは，「虚偽表示に基づいて新たにその当事者から独立した利益を有する法律関係に入ったために，虚偽表示の無効を主張する者と矛盾する法律上の利害関係を有するに至った者である」と理解されている。次の事例のうち，ここでいう「第三者」に当たるものの組合せは，後記１から５までのうちどれか。 (0334) 【善意の第三者】　虚偽表示の無効を対抗できない善意の「第三者」とは，「虚偽表示に基づいて新たにその当事者から独立した利益を有する法律関係に入ったために，虚偽表示の無効を主張する者と矛盾する法律上の利害関係を有するに至った者である」。
ア	不動産が仮装譲渡された場合に，仮装譲受人からその目的物について抵当権の設定を受けた者あたる。 (0334A) 《抵当権の設定》　不動産が仮装譲渡された場合に，仮装譲受人からその目的物について抵当権の設定を受けた者は，第三者に当たる。 (0334A) 《抵当権の設定》 ※←　94条２項の「第三者」にあたる典型的な事例である。
イ	不動産が仮装譲渡された場合に，その目的物を差し押さえた仮装譲受人の一般債権者あたる。 (0334B) 《一般債権者》　不動産が仮装譲渡された場合に，その目的物を差し押さえた仮装譲受人の一般債権者は，第三者に当たる。 (0334B) 《一般債権者》 ※←　差押債権者は「特別の利害を有するに至った」といえる。※←　（民法条項）。
ウ	１番抵当権が仮装放棄された場合に，その目的物について順位の上昇を主張する２番抵当権者あたらない。 (0334C) 《後順位抵当権者》　１番抵当権が仮装放棄された場合に，その目的物について順位の上昇を主張する２番抵当権者は，第三者に当らない。 (0334C) 《後順位抵当権者》 ※←　後順位抵当権者は，そもそも，「新たに」「独立に」「利害関係を有するに至った」とはいえない。
エ	仮装債権が譲渡され，仮装債務者にその旨の通知がなされた場合に，弁済を請求する仮装債権の譲受人あたる。 (0334D) 《仮装債権の譲渡》　仮装債権が譲渡され，仮装債務者にその旨の通知がなされた場合に，弁済を請求する仮装債権の譲受人は，第三者に当たる。 (0334D) 《仮装債権の譲渡》 ※←　この場合，譲受人は，仮装債権につき，「新たに」「独立に」「利害関係を有するに至った」といえる。
オ	債権が仮装譲渡された場合に，債権取立てのためにその債権を譲り受けた者あたらない。 (0334E) 《債権の仮装譲渡》　債権が仮装譲渡された場合に，債権取立てのためにその債権を譲り受けた者は，第三者に当らない。 (0334E) 《債権の仮装譲渡》 ※←　債権の取立てのために譲り受けたものには，「独立の」利害関係がない。
	１　アイウ　　　　　２○アイエ　　　　　３　アエオ　　　　　４　イウエ　　　　　５　イウオ