甲　占有改定の事実だけでは，即時取得を認めない。

乙　占有改定の事実だけで，確定的に即時取得を認める。

正しい。
(2024A) 《二重譲渡》
　Ａは，Ｂからその所有する動産を賃借していたところ，この動産をＣに譲渡し，占有改定による引渡しをした。その後，Ａは，さらにこの動産をＤに譲渡し，再び占有改定による引渡しをした。この場合，否定説に立てば，この動産の所有権はＢにあることになり，肯定説に立てばＤが所有権を取得する。

誤り。
(2024B) 《順次譲渡》
　Ａは，その所有する動産をＢに譲渡し，現実に引き渡した。次いで，Ｂは，この動産をＣに譲渡し，占有改定による引渡しをした。その後，Ｂは，さらにＤにこの動産を譲渡し，占有改定による引渡しをした。この場合，否定説に立てばＣがこの動産の所有権を取得し，Ｄに対してその所有権の取得を対抗することが［できるが］，肯定説に立てばＤが所有権を取得し，Ｃに対してその所有権の取得を対抗することができる。

正しい。
(2024C) 《取引行為の瑕疵》
　Ａは，その所有する動産をＢに譲渡し，占有改定による引渡しをした。次いで，Ｂは，この動産をＣに譲渡し，指図による占有移転をしたが，ＢからＣへの譲渡の意思表示には錯誤があり，無効であった。その後，Ａは，自己が占有するこの動産をＤに譲渡し，占有改定による引渡しをした。この場合，否定説に立てばこの動産の所有権はＢにあることになり，肯定説に立てばＤが所有権を取得する。

誤り。
(2024D) 《復帰的物権変動》
　Ａは，その所有する動産をＢに譲渡し，現実に引き渡したが，Ｂによる詐欺を理由として，この譲渡の意思表示を取り消した。その後，Ｂは，その占有するこの動産をＣに譲渡し，占有改定による引渡しをしたが，Ａは，Ｂからこの動産を取り戻した後，これをＤに譲渡し，占有改定による引渡しをした。この場合，否定説に立てばこの動産の所有権は［Ｃ：×Ａ］にあることになり，肯定説に立てばＤが所有権を取得する。

正しい。
(2024E) 《未成年者の取消》
　Ａは，その所有する動産をＢに譲渡し，現実に引き渡した。次いでＢは，この動産をＣに譲渡し，占有改定による引渡しをしたが，その後，Ａは，未成年者であることを理由としてＡからＢへの譲渡契約を取り消した。ところが，Ｂは，さらにこの動産をＤに譲渡し，占有改定による引渡しをした。この場合，否定説に立てばこの動産の所有権はＡにあることになり，肯定説に立てばＤが所有権を取得する。