(1801) 【】

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(1801A) 《》
　主権の概念は多義的なものとされ，国家の統治権，統治権の性質（対外的独立性と対内的最高性），国政の最高決定権の３つの意味があるとするのが一般的である。日本国憲法前文における「主権」の言葉は，いずれも国政の最高決定権の意味で用いられている。

(1801B) 《》
　「法の支配」の目的は，公権力の担い手を法で拘束し，恣意的な統治活動がなされることを防ぐことにあるから，法律の内容がどのようなものであっても，行政権の行使は，議会の制定する法律に反してはならないとする法治主義と，その内容は同じであるということができる。

(1801C) 《》
　日本国憲法は，大日本帝国憲法の改正手続に従って成立したが，旧憲法の原理を根本的に変えるものであったため，法理論的な議論が起きた。この点につき，いわゆる八月革命説は，憲法改正限界説に立った上，天皇主権から国民主権への転換は，法的に不可能と解すべきであるから，ポツダム宣言の受諾によって法的意味での革命があった，と説明する。

(1801D) 《》
　日本国憲法前文には，「これは人類普遍の原理であり，この憲法は，かかる原理に基くものである。われらは，これに反する一切の憲法，法令及び詔勅を排除する。」とある。この文章が憲法改正に限界があることを示しているとすると，人類普遍の原理たる民主主義を否定する内容の憲法改正は理論的には不可能ということになる。

(1801E) 《》
　法規範の存在形式や名称・効力にかかわらず，実質的な内容において，国家の基本構造や根本秩序を定める規範を憲法と定義する場合，それは「実質的意味の憲法」といわれる。しかし，実質的意味の憲法であっても，制限規範の性質を備えていないものは立憲主義的意味の憲法ということはできない。