民法

◎	次の文章中の〔　　〕にアからオまでの文のうちから適切なものを選んで入れると，不動産物権の公示制度に関する記述となる。その組合せとして最も適切なものは，後記１から５までのうちのどれか。 (S0711) 【登記の消極的公示力】『権利の不存在』についての信頼を保護　　この文章は，これを承認している。【登記の積極的公示力】『権利の存在』についての信頼を保護　　この文章は，これを制限的に解している。
	物権の設定及び移転は，意思表示のみによって効力を生ずるから，必ずしも公示されるとは限らない。むしろ制度的には，実際の権利関係と公示の内容とが一致しない場合が生ずることを見込んでいるといえる。それでは，このような不動産物権の公示制度の役割はどのようなものであるのか。
	一般に［ (1) ］と言われている。 (S0711A) 《権利の不存在》　一般に［公示されていない権利は存在しないという，いわば『権利の不存在』についての信頼を保護している］と言われている。 (S0711A) 《権利の不存在》 ※←　公示制度の一般的な意味（消極面）についての記述。
	これは［ (2) ］ことを意味する。 (S0711B) 《具体化》　これは［公示されていない権利については，何人からも主張されることはない］ことを意味する。 (S0711B) 《具体化》 ※←　(1) をより具体化した記述。
	反対に，［ (3) ］。 (S0711C) 《無権利者》　反対に，［公示された内容を信頼して取引をしたとしても，取引の相手方が無権利者である場合には，公示されている権利を取得することはできない］。 (S0711C) 《無権利者》 ※←　「反対に」とあるので，{(1)(2) とは異なる側面からの一般論的記述。
	なぜなら，［ (4) ］からである。 (S0711D) 《理由》　なぜなら，［何人も，自己が有するより多くの権利を他人に譲渡することはできない］からである。 (S0711D) 《理由》 ※←　(3) の理由に関する記述。
	つまり，［ (5) ］わけではない。 (S0711E) 《権利の存在》　つまり，［公示されているとおりの権利が存在するという，いわば『権利の存在』についての信頼を保護している］わけではない。 (S0711E) 《権利の存在》 ※←　(3) の結論となる記述。
ア	何人も，自己が有するより多くの権利を他人に譲渡することはできない
イ	公示されていない権利については，何人からも主張されることはない
ウ	公示されていない権利は存在しないという，いわば『権利の不存在』についての信頼を保護している
エ	公示されているとおりの権利が存在するという，いわば『権利の存在』についての信頼を保護している
オ	公示された内容を信頼して取引をしたとしても，取引の相手方が無権刺者である場合には，公示されている権利を取得することはできない
	(1) (2) (3) (4) (5) １　ア　ウ　オ　イ　エ２　ア　オ　イ　ウ　エ３○ウ　イ　オ　ア　エ４　ウ　エ　ア　オ　イ５　オ　ア　イ　ウ　エ