売主Ａがパソコンを所有していなかった場合における買主Ｂの即時取得の成否

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(0925A) 《取引行為の無効》
※←　（民法条項）。即時取得（§192)とは，動産物権変動について公信の原則を採用し，前主の無権利の瑕疵を治癒する制度である。したがって，物権取得の取引行為が有効であることが要件とされ，そもそも錯誤等によって取引行為が効力を生じない場合には即時取得は成立しない。

(0925B) 《所有権留保》
※←　（民法条項）。即時取得において，善意・無過失の要件は取引行為のときに存在する必要があるが，この取引行為とは所有権または質権等の取得を目的とする行為である。本肢のような所有権留保の特約がある場合には，代金完済時に所有権が移転するから（最判昭49. 7.18),代金完済時が取引行為のときとなり，この時点での善意・無過失の要件が必要となる。　*

(0925C) 《悪意》
※←　（民法条項）。即時取得は公信の原則を採用したものであるから，相手方の占有を信頼したとはいえない者には適用はない。相手方が権利者であるかどうかについて疑いを有する場合は悪意とされる（大判大8.10.13)。　　*

(0925D) 《代理人》
※←　（民法条項）。代理行為において,即時取得の善意･無過失の要件は代理人をもって判断される（§101 �T）。　確かに，本肢において本人たるＢは悪意であるから同条２項の適用が問題となるが，２項は特定の法律行為をなすことを委託された代理人が本人の指図に従い行為をなした場合であって，必ずしも本肢が同項にあてはまるとはいえない。したがって，代理人Ｃを判断基準として即時取得が成立しうるとしている本肢は，正しい内容となる。　*

(0925E) 《無権代理》
※←　（民法条項）。即時取得（§192)は，相手方の占有を信頼した者を保護するものであり，代理行為の瑕疵に関しては適用がない。