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(4950A) 《不法行為》
※←　（民法条）。不法行為による債権を受働債権として相殺することはできない（§509)が，債権者が相殺すること（自働債権として相殺すること）は禁じられていない。

(4950B) 《自然債務》
※←　（民法条）。自然債務とは国家の強制的実現の方法を欠いた債務である。相殺を認めることは強制的に弁済をさせることになる。したがって，相殺はできず，本肢も誤り。

(4950C) 《弁済期》
※←　（民法条）。弁済期の定めのない債権とは債権成立の時点から，いつでも履行の請求ができるのであるから,常に弁済期にあるといえる（例えば時効も債権成立の時点から進行する）。したがって，直ちに相殺できることになる。相手方が遅滞に陥る時点とは異なる。

(4950D) 《特約》
※←　（民法条）。相殺禁止の意思表示は有効になしうる（§505 �U）。そして，この意思表示は契約によって生じる債権については契約によることを要し，単独行為によって生じる債権については，その単独行為でできる。しかし，本肢の場合「当事者の一方の意思表示」としているところからも契約により生じる債権と考えるべきであり，この場合，禁止の意思表示は単独ではできない。

(4950E) 《債権の同一性》
※←　（民法条）。相殺の意思表示については，相殺する債権は示さなければならないが，それは債権の同一性を認識できる程度に示せば足り，その債権の発生の日時・発生原因・数額などは必ずしも明示する必要はない（大判昭7. 5. 6)。