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(2207A) 《占有の承継》
□←　占有の承継を同一人による占有継続に近づけて理解し，元の占有者が後に悪意になった場合との均衡を図るため（民法162条2項）。
※←　不動産の占有主体に変更があつて承継された二個以上の占有が併せて主張された場合には，民法162条2項にいう占有者の善意・無過失は，その主張にかかる最初の占有者につきその占有開始の時点において判定すれば足りる（最判昭53.3.6）。

(2207B) 《自主占有》
□←　相続人が新たな事実的支配を開始したことによって，従来の占有の性質が変更されたものであるから。
※←　他主占有者の相続人が独自の占有に基づく取得時効の成立を主張する場合には，相続人において，その事実的支配が外形的客観的にみて独自の所有の意思に基づくものと解される事情を証明すべきである（最判平8.11.12）。

(2207C) 《起算点》
※←　民法187条1項は，権利能力なき社団等の占有する不動産を法人格を取得した以後当該法人が引き継いで占有している場合にも適用がある（最判平1.12.22）。
※←　占有者の承継人は，その選択に従い，自己の占有のみを主張し，又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる（民法187条1項）。

(2207D) 《適法推定》
※←　所有者と占有者の関係において，所有者等から不法占有の主張がある場合に，占有者は，適法にその物の占有の移転を受けて占有しているとは推定されず，占有についての正権原を立証する責任を負う。
※←　占有者が占有物について行使する権利は，適法に有するものと推定する（民法188条）。