民法

◎	Ａは，Ｂのために，ＡがＣに対して有する指名債権である金銭債権を目的として，質権を設定し，Ｃに対して質権の設定を通知した。この事例に関する次の１から５までの各記述のうち，誤っているものはどれか。 (2114) 【債権質】　Ａは，Ｂのために，ＡがＣに対して有する指名債権である金銭債権を目的として，質権を設定し，Ｃに対して質権の設定を通知した。
１	目的債権が保証債務によって担保されている場合，Ｂの質権の効力は，その保証債権に及ぶ。正しい。 (2114A) 《担保》　目的債権が保証債務によって担保されている場合，Ｂの【質権】の効力は，その保証債権に及ぶ。 (2114A) 《担保》 ※←　指名債権質の効力は，質入れされた債権の元本・利息の全部，及び，その債権に付されている担保にも及ぶ。
２	Ａは，第三者に対して目的債権を譲渡することができない。誤り。 (2114B) 《譲渡》　Ａは，第三者に対して目的債権を譲渡することが［できる］（民法364条，467条1項）。 (2114B) 《譲渡》 ※←　ただし，質権者が質権設定の対抗要件（民法364条，467条1項）を備えていれば，譲受人は，設定者と同様の拘束を受けることになる。
３	Ｃは，質権の設定の通知を受けるより前にＡから目的債権について債務の一部の免除を受けていたときは，目的債権の一部が消滅したことをＢに対して主張することができる。正しい。 (2114C) 《債権の消滅》　Ｃは，【質権】の設定の通知を受けるより前にＡから目的債権について債務の一部の免除を受けていたとき，目的債権の一部が消滅したことをＢに対して主張することができる。 (2114C) 《債権の一部消滅》 ※←　第三債務者は，質権設定者から通知を受けるまでに質権設定者に対して生じた事由を，質権者に対抗できる。
４	Ａは，目的債権の消滅時効中断のために必要があるときは，Ｃを被告として，債権存在確認の訴えを提起することができる。正しい。 (2114D) 《債権存在確認の訴え》　Ａは，目的債権の消滅時効中断のために必要があるとき，Ｃを被告として，債権存在確認の訴えを提起することができる（大判昭12.7.7）。 (2114D) 《債権存在確認の訴え》 ◎←　設定者は，質権設定による拘束力により，第三債務者に対する取立てを禁止される。　しかし，
５	Ｂは，被担保債権及び目的債権が弁済期にある場合，被担保債権額の範囲内でＣから目的債権を直接取り立て，被担保債権に充当することができる。正しい。 (2114E) 《直接取立て》　Ｂは，被担保債権及び目的債権が弁済期にある場合，被担保債権額の範囲内でＣから目的債権を直接取り立て，被担保債権に充当することができる（民法366条1項・2項）。 (2114E) 《直接取立て》 ※←1 質権者は，質権の目的である債権を直接に取り立てることができる。 2 債権の目的物が金銭であるときは，質権者は，自己の債権額に対応する部分に限り，これを取り立てることができる（民法366条1項・2項）。
	正　解　　　２