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(2228A) 《悪意の受益者》
□←　悪意の受益者を保護する必要はないので，悪意の受益者の返還義務の範囲を広くした。
※←＝　悪意の受益者は，その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において，なお損害があるときは，その賠償の責任を負う（民法704条）。

(2228B) 《債務の不存在》
□←　過失によって知らなかった場合には，民法705条は適用されない（大判昭16.4.19）。
※←　債務の弁済として給付をした者は，その時において債務の存在しないことを知っていたときは，その給付したものの返還を請求することができない（民法705条）。

(2228C) 《弁済期》
□←　債務がある以上，早すぎた弁済を無効とするのは妥当ではないから。給付としての効力は認めるべき。
※←　債務者は，弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは，その給付したものの返還を請求することができない。ただし，債務者が錯誤によってその給付をしたときは，債権者は，これによって得た利益を返還しなければならない（民法706条本文）。

(2228D) 《他人の債務》
□←　民法707条1項列挙の場合に限り，返還請求できない。
※←　債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において，債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し，担保を放棄し，又は時効によってその債権を失ったときは，その弁済をした者は，返還の請求をすることができない（民法707条1項項）。

(2228E) 《不法原因給付》
□←　「不法」には，単なる強行法規違反の場合は，含まれない。　給付者を保護する必要がない場合に限る。
　石油製品配給規則第1条，第11条，第12条に違反し配給割当公文書と引換でなしにされた揮発油の譲渡といえども，必ずしも民法第708条にいわゆる不法原因給付に当るとはいえない（最判昭37.3.8）。
※←　不法な原因のために給付をした者は，その給付したものの返還を請求することができない。ただし，不法な原因が受益者についてのみ存したときは，この限りでない（民法708条本文）。