民法

◎	売買契約における解約手付に関する次のアからオまでの各記述のうち，判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは，後記１から５までのうちどれか。 (L0424) 【解約手付】 **
ア	売買契約において交付された手付は，解約手付と推定される。正しい。 (L0424A) 《解約手付》　売買契約において交付された手付は，解約手付と推定される（民法557条1項）。 (L0424A) 《解約手付》 ※←　買主が売主に手付を交付したときは，買主はその手付を放棄し，売主はその倍額を現実に提供して，契約の解除をすることができる。ただし，その相手方が契約の履行に着手した後は，この限りでない（民法557条1項）。 ※←　（最判昭平）。
イ	買主は，売主が契約の履行に着手していても，自ら履行に着手するまでは，解約手付による解除をすることができる。誤り。 (L0424B) 《相手方の着手》　買主は，売主が契約の履行に着手していれば，自ら履行に着手するまで，解約手付による解除をすることが［できない］（民法557条1項）。 (L0424B) 《履行の着手》 ※←　（民法条項）。 ※←　（最判昭平）。
ウ	買主は，自ら契約の履行に着手していても，売主が履行に着手するまでは，解約手付による解除をすることができる。正しい。 (L0424C) 《自ら着手》　買主は，自ら契約の履行に着手していても，売主が履行に着手するまでは，解約手付による解除をすることができる。 (L0424C) 《自己の着手》 ※←　（民法条項）。 ※←　（最判昭平）。 (R0218B) 《自ら着手》　買主は，自己が履行に着手した場合でも，売主がまだ履行に着手していなければ，手付を放棄して契約の解除をすることができる（民法557条1項但）。 (S1317E) 《自ら着手》　当事者の一方は，自らが履行に着手した場合でも，相手方が履行に着手していないときには，売買契約を解除することが［できる］（最判昭40.11.24）。
エ	売主は，買主に対し，手付金の倍額を償還する旨を口頭で告げて，解約手付による解除をすることができる。誤り。 (L0424D) 《現実の提供》　売主は，買主に対し，手付金の倍額を償還する旨を口頭で告げて，解約手付による解除をすることが［できない］。 (L0424D) 《現実の提供》 ※←　（民法条項）。 ※←　（最判昭平）。 (R0218A) 《現実の提供》　買主が売主に手付を交付している場合に，売主は，買主に手付の倍額の償還を口頭で告げ受領を催告するだけでは，売買契約を解除することはできない。売買契約を解除するためには，売主は，買主に対して手付の倍額を現実に提供する必要がある（民法557条1項本）。
オ	買主が解約手付による解除をした場合，売主に手付金の額を超える損害が生じたとしても，買主は損害賠償義務を負わない。正しい。 (L0424E) 《損害賠償》　買主が解約手付による解除をした場合，売主に手付金の額を超える損害が生じたとしても，買主は損害賠償義務を負わない。 (L0424E) 《損害賠償》 ※←　（民法条項）。 ※←　（最判昭平）。
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