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(2330A) 《胎児の代理人》
※←　胎児は，損害賠償の請求権については，既に生まれたものとみなす（民法721条）。
※←　胎児の損害賠償請求権につきその親族が胎児のために加害者と行った和解は，胎児を拘束しない（大判昭7.10.6）。代理人をつけることはできない。

(2330B) 《慰謝料の相続》
※←　他人の不法行為によって財産以外の損害を被った者は，損害の発生と同時に慰謝料請求権を取得し，上記請求権を放棄したものと解し得る特段の事情がない限り，これを行使することができる一同人が生前に請求の意思を表明しなくても当然に相続される（最判昭35.11.29）。

(2330C) 《近親者》
※←　他人の生命を侵害した者は，被害者の父母，配偶者及び子に対しては，その財産権が侵害されなかった場合においても，損害の賠償をしなければならない（民法711条）。
※←　不法行為により身体に傷害を受けた者の母が，そのために被害者の生命侵害（民711条）の場合にも比肩し得べき精神上の苦痛を受けたときは，民法709条, 710条に基づいて自己の権利として慰謝料を請求し得る（最判昭33.8.5）。

(2330D) 《過失相殺》
※←　被害者に過失があったときは，裁判所は，これを考慮して，損害賠償の額を定めることができる（民法722条2項）。
※←　被害を受けた未成年者の過失を斟酌するためには，事理を弁識するに足りる知能が備わっていれば足り，行為の責任を弁識するに足りる知能が備わっていることを要しない（最判昭39.6.24）。

(2330E) 《名誉毀損》
※←　債権者は，自己の債権を保全するため，債務者に属する権利を行使することができる。ただし，債務者の一身に専属する権利は，この限りでない（民法423条1項）。
※←　名誉毀損による慰謝料請求権は，本来行使上の一身専属性を有するものであるが，加害者が被害者に対して一定額の慰謝料を支払うことを内容とする合意若しくはかかる支払を命ずる債務名義が成立したなど，具体的な金額の慰謝料請求権が当事者間において客観的に確定したとき，又は，被害者がそれ以前の段階において死亡したときは，一身専属性を認めるべき理由を失い，被害者の債権者の差押え又は債権者代位権の目的となり得る（最判昭58.10.6）。