民法

◎	相隣関係に関する次のアからオまでの各記述のうち，誤っているものを組み合わせたものは，後記１から５までのうちどれか。 (L0109) 【相隣関係】 **
ア	ＡとＢが共有する土地の分割によって公道に通じないＡ所有の甲土地と公道に通じるＢ所有の乙土地が生じた場合において，甲土地から公道に至るためにはＣ所有の丙土地を通行するのが最も損害が少ないときは，Ａは，丙土地を通行することができる。誤り。 (L0109A) 《分割》　ＡとＢが共有する土地の分割によって公道に通じないＡ所有の甲土地と公道に通じるＢ所有の乙土地が生じた場合に，甲土地から公道に至るためにはＣ所有の丙土地を通行するのが最も損害が少ないとき，Ａは，丙土地を通行することが［できない］（民法213条1項前）。 (L0109A) 《分割》 ※←　分割によって公道に通じない土地が生じたときは，その土地の所有者は，公道に至るため，他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては，償金を支払うことを要しない（民法213条1項前）。 ※←　（最判昭平）。
イ	土地の所有者は，隣地の所有者が隣地に設置した排水溝の破壊又は閉塞により自己の土地に損害が及んでいる場合，隣地の所有者に，排水溝の修繕又は障害の除去をさせることができる。正しい。 (L0109B) 《排水》　土地の所有者は，隣地の所有者が隣地に設置した排水溝の破壊又は閉塞により自己の土地に損害が及んでいる場合，隣地の所有者に，排水溝の修繕又は障害の除去をさせることができる（民法216条）。 (L0109B) 《排水》 ※←　他の土地に貯水，排水又は引水のために設けられた工作物の破壊又は閉塞により，自己の土地に損害が及び，又は及ぶおそれがある場合には，その土地の所有者は，当該他の土地の所有者に，工作物の修繕若しくは障害の除去をさせ，又は必要があるときは予防工事をさせることができる（民法216条）。 ※←　（最判昭平）。
ウ	土地の所有者は，隣地の竹木の枝が境界線を越えているときは，自らその枝を切除することができる。誤り。 (L0109C) 《竹木の枝》　土地の所有者は，隣地の竹木の枝が境界線を越えているときは，［その竹木の所有者に，その枝を切除させる：×自らその枝を切除する］ことができる（民法233条1項）。 (L0109C) 《竹木の枝》 ※←　隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは，その竹木の所有者に，その枝を切除させることができる（民法233条1項）。 ※←　（最判昭平）。
エ	境界線上に設けられた境界標は，相隣者の共有に属するものと推定される。正しい。 (L0109D) 《境界標の共有》　境界線上に設けられた境界標は，相隣者の共有に属するものと推定される（民法229条）。 (L0109D) 《境界標の共有》 ※←　境界線上に設けた境界標，囲障，障壁，溝及び堀は，相隣者の共有に属するものと推定する（民法229条）。 (R0209B) 《囲障》　境界線上に設けられた囲障は，相隣者の共有に属するものと推定される（民法229条）。 (S5810D) 《界標》　境界線上に設けられた界標は，相隣者の共有に属するものと推定される（民法229条）。
オ	土地の所有者は，隣地の所有者と共同の費用で，境界標を設けることができる。正しい。 (L0109E) 《境界標の設置》　土地の所有者は，隣地の所有者と共同の費用で，境界標を設けることができる（民法223条）。 (L0109E) 《境界標の設置》 ※←　土地の所有者は，隣地の所有者と共同の費用で，境界標を設けることができる（民法223条）。 ※←　（最判昭平）。
	１×アウ　　　　　２　アオ　　　　　３　イエ　　　　　４　イオ　　　　　５　ウエ