ＡとＢは，2020年４月１日，Ａ所有の中古自転車（以下「甲」という）を，同月10日引渡し，同月20日代金支払の約定でＢに売却する旨の売買契約を締結した。

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(L0124A) 《代金の支払》
※←　債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは，債権者は，反対給付の履行を拒むことができない。　この場合において，債務者は，自己の債務を免れたことによって利益を得たときは，これを債権者に償還しなければならない（民法536条2項前）。
※←　特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において，その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し，又は損傷したときは，その滅失又は損傷は，債権者の負担に帰する（旧民法534条1項）。
※←　債権者の負担。（最判昭平）。

(L0124B) 《契約の解除》
※←　前2条の規定は，第415条の規定による損害賠償の請求並びに第541条及び第542条の規定による解除権の行使を妨げない（民法564条）。
※←　次に掲げる場合には，債権者は，前条の催告をすることなく，直ちに契約の解除をすることができる。
�D 前各号に掲げる場合のほか，債務者がその債務の履行をせず，債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき（民法542条1項5号）。
※←　売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは，第566条の規定を準用する。ただし，強制競売の場合は，この限りでない（旧民法570条本）。
※←　（最判昭平）。

(L0124C) 《解除前の第三者》
※←　第三者の権利を害することはできない（545条1項但）。ただし，保護要件として登記が必要。　Ｃは引渡しによる対抗要件を備えている。
※←　当事者の一方がその解除権を行使したときは，各当事者は，その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし，第三者の権利を害することはできない（民法545条1項）。
※←　Ａは，その所有土地をＢに売却し，Ｂは，さらにその土地をＣに売却した。Ｂが土地をＣに転売した後に，ＡがＡＢ間の土地の売買契約を代金支払いの履行遅滞を理由として解除した場合，Ｃは，所有権移転登記があれば，Ａに土地の所有権を対抗することができる（最判昭33.6.14）。
※←　解除後の第三者は、対抗問題として処理される（最判昭35.11.29）。

(L0124D) 《同時履行の抗弁権》
※←　先履行義務者も、同時履行の抗弁権を主張できる。
※←　双務契約の当事者の一方は，相手方がその債務の履行（債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む）を提供するまでは，自己の債務の履行を拒むことができる。ただし，相手方の債務が弁済期にないときは，この限りでない（民法533条本）。
※←　（最判昭平）。

(L0124E) 《利息の支払》
※←　４月20日から、４月25日までの間は、履行遅滞とはならず、その利息を請求できない。
※←　買主は，引渡しの日から，代金の利息を支払う義務を負う。ただし，代金の支払について期限があるときは，その期限が到来するまでは，利息を支払うことを要しない（民法575条2項）。
※←　20日の時点では、代金未払いであっても、債務不履行とは言えないから。（大判大14.10.29）。