民法

◎	抵当権の効力が及ぶ範囲に関する次のアからオまでの各記述のうち，判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは，後記１から５までのうちどれか。 (L0115) 【抵当権の効力が及ぶ範囲】 **
ア	抵当権設定者が，抵当権の目的である土地を第三者に賃貸していた場合，その担保する債権について不履行がなくても，抵当権の効力は，その賃料債権に及ぶ。誤り。 (L0115A) 《債務不履行》　抵当権設定者が，抵当権の目的である土地を第三者に賃貸していた場合，その担保する債権について不履行がなければ，抵当権の効力は，その賃料債権に［及ばない］（民法371条）。 (L0115A) 《債務不履行》 ※←　抵当権は，その担保する債権について不履行があったときは，その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ（民法371条）。 ※←　（最判昭平）。
イ	土地の所有者が，土地に抵当権を設定した後，その土地上に立木を植栽した場合，抵当権の効力は，その立木に及ぶ。正しい。 (L0115B) 《立木》　土地の所有者が，土地に抵当権を設定した後，その土地上に立木を植栽した場合，抵当権の効力は，その立木に及ぶ（民法370条）。 (L0115B) 《立木》 ※←　抵当権は，抵当地の上に存する建物を除き，その目的である不動産（以下「抵当不動産」という）に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし，設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第424条第3項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は，この限りでない（民法370条）。 ※←　（最判昭平）。
ウ	抵当権設定者が，抵当権の目的である建物に宝石を持ち込んで保管していた場合，抵当権の効力は，その宝石に及ぶ。誤り。 (L0115C) 《宝石》　抵当権設定者が，抵当権の目的である建物に宝石を持ち込んで保管していた場合，抵当権の効力は，その宝石に［及ばない］（民法370条）。 (L0115C) 《宝石》 ※←　抵当権は，抵当地の上に存する建物を除き，その目的である不動産（以下「抵当不動産」という）に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし，設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第424条第3項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は，この限りでない（民法370条）。 ※←　付加一体物では、ないから。（最判昭平）。
エ	抵当権の目的である建物が天災のため崩壊し動産となった場合，抵当権の効力は，その動産に及ぶ。誤り。 (L0115D) 《崩壊木材》　抵当権の目的である建物が天災のため崩壊し動産となった場合，抵当権の効力は，その動産に［及ばない］（大判大5.6.28）。 (L0115D) 《崩壊木材》 ※←　（民法条項）。 ※←　（大判大5.6.28）。
オ	抵当権設定者から抵当権の目的である建物を賃借した賃借人が，その所有する取り外し可能なエアコンを建物内に設置している場合，抵当権の効力は，そのエアコンに及ばない。正しい。 (L0115E) 《エアコン》　抵当権設定者から抵当権の目的である建物を賃借した賃借人が，その所有する取り外し可能なエアコンを建物内に設置している場合，抵当権の効力は，そのエアコンに及ばない（民法370条）。 (L0115E) 《エアコン》 ※←　抵当権は，抵当地の上に存する建物を除き，その目的である不動産（以下「抵当不動産」という）に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし，設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第424条第3項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は，この限りでない（民法370条）。 ※←　付加一体物では、ないから。（最判昭平）。
	１　アウ　　　　　２　アエ　　　　　３　イウ　　　　４○イオ　　　　　５　エオ