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(2504A) 《積極的差別是正措置》
※←　（憲法14条1項）。
　憲法14条１項は，基本的には形式的平等（人の様々な差異を一切捨象して原則的に一律平等に取り扱うこと，すなわち基本的に機会均等）に立脚しながら，実質的平等（人の現実の差異に着目してその格差是正を行うこと，すなわち配分ないし結果の均等）の観点も重視しているとされる。その結果，積極的差別解消措置（アファーマティブ・アクション）は，14条１項に照らし許容される。しかし，14条１項は，積極的差別是正措置を講じる義務までは認めていないというのが通説である。

(2504B) 《世襲の身分》
※←　（憲法条）。憲法14条２項は，「華族その他貴族の制度は，これを認めない」とし，貴族制度の廃止を定めている。貴族とは，一般国民から区別された特権を伴う世襲の身分である。そして，本条２項は，憲法制定当時存在した華族制度を廃止し，将来にわたって類似の制度が復活することを禁止する趣旨の規定である。

(2504C) 《栄典の授与》
※←　（憲法条）。憲法14条３項は，「栄誉，勲章その他の栄典の授与は，いかなる特権も伴はない。栄典の授与は，現にこれを融資，又は将来此を受ける者の一代に限り，その効力を有する」と定めている。しかし，国家や社会の様々な領域で功労のあった者に，名誉を表彰したり，勲章を授けることは，昔からどこの国でも行われてきたことであり，憲法も公的な栄典の授与を当然に予想しているといえる。そして，栄典自体が広い意味では一種の特権であるから，それが認められる以上，経済的利益の提供などを伴っても，民主主義の観点から見て合理的な限度内の者で，世襲されなければ，合憲であると考えられている。