公法

◎

　選挙制度に関する次のアからウまでの各記述について，それぞれ正しい場合には１を，誤っている場合には２を選びなさい。

ア

　小選挙区制の下では，二大政党化への傾向が生じ，そのいずれかの政党が議会の過半数を占め，政権が安定する可能性が高くなる。他方で，議席に反映されない死票が多くなり，国民の間に存在する少数者の意思が議会に反映されにくくなる。

イ

　比例代表制の下では，死票が比較的少なく，有権者の様々な意思が議会に反映されやすくなる。他方で，一つの政党が議会の過半数を占めることが相対的に困難となり，小党分立を招き，政権が不安定になるおそれがある。

ウ

　いわゆる中選挙区制の下では，一つの政党が議会の過半数を占め，政権が安定する可能性が高くなる。他方で，同一政党から複数の候補者が同一選挙区に立候補する結果，小選挙区制と比べて死票が生ずる確率が高くなる。

　正　解　　　１　　１　　２

◎	選挙制度に関する次のアからウまでの各記述について，それぞれ正しい場合には１を，誤っている場合には２を選びなさい。 (2413) 【選挙制度】　* ** 　* ** 　*
ア	小選挙区制の下では，二大政党化への傾向が生じ，そのいずれかの政党が議会の過半数を占め，政権が安定する可能性が高くなる。他方で，議席に反映されない死票が多くなり，国民の間に存在する少数者の意思が議会に反映されにくくなる。正しい。 (2413A) 《小選挙区制》　【小選挙区制】の下では，二大政党化への傾向が生じ，そのいずれかの政党が議会の過半数を占め，政権が安定する可能性が高くなる。　他方で，議席に反映されない死票が多くなり，国民の間に存在する少数者の意思が議会に反映されにくくなる。 (2413A) 《小選挙区制》 ※←　（憲法条）。小選挙区は，選挙人団が１人の議員を選出するので，小党乱立を防ぎ，二大政党化を促し，政局が安定するという長所を有するが，実際に投じた票が生かされず，死票となる可能性が高いという短所を有する（野中ほか・憲法H33～34頁）。
イ	比例代表制の下では，死票が比較的少なく，有権者の様々な意思が議会に反映されやすくなる。他方で，一つの政党が議会の過半数を占めることが相対的に困難となり，小党分立を招き，政権が不安定になるおそれがある。正しい。 (2413B) 《比例代表制》　【比例代表制】の下では，死票が比較的少なく，有権者の様々な意思が議会に反映されやすくなる。　他方で，一つの政党が議会の過半数を占めることが相対的に困難となり，小党分立を招き，政権が不安定になるおそれがある。 (2413B) 《比例代表制》 ※←　（憲法条）。比例代表制は，少数派にも合理的な代表を得さしめるため，得票数によって示される勢力に比例して議席を与える制度であるため（野中ほか・前掲37頁），死票が比較的少ないといえるが，群小政党が議会に進出し，政局が不安定になるおそれがあるという問題点がある（野中ほか・前掲39頁）。
ウ	いわゆる中選挙区制の下では，一つの政党が議会の過半数を占め，政権が安定する可能性が高くなる。他方で，同一政党から複数の候補者が同一選挙区に立候補する結果，小選挙区制と比べて死票が生ずる確率が高くなる。誤り。 (2413C) 《中選挙区制》　いわゆる【中選挙区制】の下では，一つの政党が議会の過半数を占め，政権が安定する可能性が高くなる。　他方で，同一政党から複数の候補者が同一選挙区に立候補する結果，〔共倒れになりやすいという短所があるが〕，小選挙区制と比べて死票が生ずる確率が高くなる［とは言えない］。 (2413C) 《中選挙区制》 ※←　（憲法条）。中選挙区は，正確には大選挙区の一種である。そして，大選挙区は，死票が少なくなるという長所があるが，同一政党から複数の候補者が立ち，共倒れになりやすいという短所がある。このように中選挙区では死票が少なくなりやすいので，死票となる可能性が高い小選挙区と比べて死票が生ずる可能性が高くなるとはいえない。
	正　解　　　１　　１　　２