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(2316A) 《単独の責任》
※←　（憲法条）。憲法66条３項は内閣が行政権の行使につき国会に対して連帯責任を負う旨規定し，議院内閣制の要素を示している。もっとも，内閣が連帯責任を負うということは，各国務大臣の個別的な単独責任を否定するものではない。国務大臣は，個人的な不行跡があった場合に個別の責任を負うことはもとより，自己の所管事項について違法ないし不当な行為を行った塲介に，憲法上の「主任の国務大臣」（§74）として不信任決議などで国会から責任を追及されることがある。

(2316B) 《総辞職》
※←　（憲法条）。「内閣総理大臣が欠けたとき」とは内閣総理大臣が死亡した場合や除名（憲法58条2項）された場合のほか，資格争訟（§55）や選挙訴訟・当選訴訟の結果国会議員たる地位を失った場合や，辞表を提出した場合（国会法§64）もこれにあたる（§67− 1参照）。　なお，病気や一時的な生死不明のような暫定的とみられる性質の故障の場合は，「欠けたとき」にあたらず，「内閣総理大臣に事故があるとき」として，内閣総理大臣の予め指定する国務大臣（通常は副総理）が臨時に内閣総理大臣の職務を行うので（内閣法§９），総辞職の必要はない。

(2316C) 《法律執行義務》
※←　（憲法条）。憲法73条１号は，内閣が［法律を誠実に執行］するとして内閣の法律執行義務を規定している。そこで，国会が制定した法律を違憲と考えた場合でも，内閣は一般にはその法律を執行すべきものと考えられている。もっとも，内閣総理大臣は，内閣を代表して議案を国会に提出する権限を有し（§72),「議案」には法律案も含まれると解されるから，その法律を廃止する案を国会に提出することができないわけではない。