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(2238A) 《》
※←　（憲法条）。判例（最判平7.7.7)は，道路の供用に伴い自動車から発せられる騒音や排気ガス等によりその周辺住民が生活妨害等の被害を受けた場合につき，かかる被害は社会生活上受忍すべき限度を超えており「道路の設置又は管理に瑕疵」があるものと判示して，国家賠償法２条１項により，損害賠償を認めた。　しかし，損失補償が必要とはしていない。

(2238B) 《》
※←　（憲法条）。判例（最判平3.4.19 ・ 行政百選H Na219,小樽種痘予防接種禍事件）は，予防接種により重篤な後遺症が生じた場合につき，国家賠償請求の余地を認めている。なお，裁判例（大阪地判昭62.9.30,福岡地判平元4.18)は，憲法29条３項のもちろん解釈により，損失補償を認めているが，最高裁判所は損失補償を認めていない。

(2238C) 《》
※←　（憲法条）。消防法29条３項は，消火のために緊急の必要があるときは，消防対象物及び土地以外の消防対象物及び土地を使用し，処分し又はその使用を制限することができるとし，この場合においては，そのために損害を受けた者からその損失の補償の要求があるときは，時価により，その損失を補償するものとすると規定する。したがって，延焼のおそれはないが，消火のため緊急の必要がある建築物の破壊の場合には，損失補償を請求しうる。なお，29条１項・２項は，火災が発生しそうな消防対象物，火災が発生した消防対象物，延焼のおそれがある消防対象物の使用・処分・使用制限については，損失補償の規定は置いていない。延焼のおそれのある建築物の破壊と延焼のおそれのない建築物の破壊とで補償の要否が分かれる点に注意が必要である。

(2238D) 《》
※←　（憲法条）。都市計画法が損失補償を規定するのは，調査のための立入り等や障害物の伐除及び土地の試掘等立入りの場合や生活再建など（§28，§52の5，§57の6，§60の3，§74）であり，用途地域が定められたことにより，土地利用規制を受けることになった場合につき損失補償の規定は置かれていない。土地利用制限について補償が不要とされるのは，制限が現状での財産の利用を固定するにとどまり，財産権本来の効用を妨げるとまではいえないこと，事業計画の円滑な遂行や事業費抑制といった要素も考慮されることなどによる。