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(2213A) 《助言と承認》
※←　（憲法条）。憲法は，天皇の国事に関するすべての行為には，内閣の助言と承認を必要とし，内閣が，その責任を負う（憲法§３）。この内閣の助言と承認について，両者とも必要かが問題となる。この問題は，苫米地事件において一つの争点となり，第一審，控訴審ともに助言と承認の両者が必要だとした。もっとも，最高裁は，助言と承認の論点に立ち入るのを回避した（殼大判昭35.6.8・憲法百選ｕ No.211)。そのため，この問題について最高裁判所の判例はない。

(2213B) 《象徴としての行為》
※←　（憲法条）。天皇の国事行為および私的行為以外に公的な性格を有する行為が認められるかについては争いがある。この点，天皇の象徴としての行為を肯定する立場では，全国植樹祭に出席することは天皇の象徴としての行為といえるが，魚類学の研究成果を公表することは私的行為であり，象徴としての行為とはいえない。

(2213C) 《刑事訴追》
※←　（憲法条）。天皇に対する刑事訴追の可否について，憲法及び法律上に明文の定めはない。しかし，皇室典範21条が摂政につき「その在任中，訴追されない」と定め，国事行為の臨時代行に関する法律６条が臨時代行の委任を受けた皇族につき「その委任がされている間，訴追されない」と定めていることからすれば，天皇が訴追されないことは当然の前提となっており，天皇に対する刑事訴追は許されないと考えることができる。