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(2118A) 《地方税の賦課徴収》
※←　（憲法条）。租税法律主義を定める憲法肘条との関連で，条例による地方税の賦課徴収が許されるか冱かが問題となるが，一般に，同条にいう「法律」には条例が含まれると解されている。租税法律主義の趣旨は行政権による専断的な課税を防止する点にあるところ，民主的な手続により制定された条例は，かかる趣旨を害せず，「法律」に準ずるものと解してよいといえるからである。

(2118B) 《自治立法》
※←　（憲法条）。条例とは，地方公共団体がその自治権に基づいて制定する自主法である。具体的には，条例は，地方公共団体の事務（自治事務）に関する事項しか規律できないが，その範囲内では，国家法とは原則として無関係に，独自に規定を設けることができることを意味すると考えられている。この点については，条例を委任立法と解し，地方自治法14条１項を条例制定権の一般的授権条項であると解する見解もあるが，判例（最大判昭37.5.30)も，「地方公共団体の制定する条例は，憲法が特に民主主義政治組織の欠くべからざる構成として保障する地方自治の本旨に基づき（同92条），直接憲法94条により法律の範囲内において制定する権能を認められた自治立法に外ならない」としており，地方公共団体が条例を制定するにあたって一般に法律の根拠を必要としていない。

(2118C) 《法律による委任》
※←　（憲法条）。憲法31条，及び73条６号との関係で，条例違反に対する制裁として罰則を設けることができるかが問題となる。判例（最大判昭37.5.30 ・ 憲法百選11 Na237)は，「憲法31条はかならずしも刑罰がすべて法律そのもので定められなければならないとするものでなく，法律の授権によってそれ以下の法令によって定めることもできる」とした上で，条例は住民の代表である議会が制定する自主立法として法律に類することを理由に，かかる授権は「相当な程度に具体的であり，限定されて」いれば足りると判示している。判例は，法律による委任を必要としており，31条の「法律」に授権を受けた下位法令も含まれると解しているわけではない。